FEBC

FEBC（エフイービーシー）

FEBC（Far East Broadcasting Company）は、キリスト教に特化した番組を制作し、世界中で放送する団体です。「信仰は聞くことから始まる。」というスローガンのもと、1945年に太平洋戦争後にジョン・C・ブロガー、ロバート・H・ボウマン、ウィリアム・J・ロバーツの3人により上海での放送を始めました。しかし、1948年に国共内戦の影響で上海の放送が中止され、その後フィリピン・マニラで新たに放送を開始しました。現在、FEBCの本部はアメリカにあり、韓国、フィリピン、セーシェルなど、40ヶ国以上に局を持ち、約150か国語で各地向けに放送を行っています。

FEBCの放送局と番組内容

日本では日本福音同盟と連携し、特に日本語による放送を行っています。日本のFEBCは、主に東京都武蔵野市に拠点を持ち、AMラジオとインターネット（FEBC Online）を通じて様々な宗教番組を提供しています。内容としては礼拝の様子や聖書に基づく番組が中心で、特に日曜日には礼拝の録音を放送しています。また、聖書通信講座「TeaRoom」で無料で聖書を学ぶ機会も提供しています。

日本語放送は、かつて沖縄の極東放送が前身でしたが、1972年に沖縄が本土復帰を迎え、日本国内での宗教放送が規制される中で、韓国の済州島に移転した経緯があります。最近では、日本国外での日本語放送も行っており、シンガポールのFEBCでも日本語番組を放送しています。

フィリピンの放送網

フィリピン国内では、中波やFM帯を使い、複数の放送局を通じて宗教番組を展開しています。特にマニラを中心とした放送網は、国内各地に中波局やFM局を設置し、多様な内容をリスナーに届けています。

韓国におけるFEBC

韓国では、1956年に設立された極東放送が現在のFEBCの基盤となっています。運営は地域ごとに細分化され、ソウルや済州三島を中心に、多言語放送が行われています。韓国語のみならず、中国語や英語、日本語の番組も放送しており、近隣国への情報発信も行っています。

BCLブーム時代の影響

1970年代の短波ラジオ愛好者によるBCL（Broadcast Listening）ブームの時代には、FEBCの日本語放送が多くのリスナーを獲得しました。この時代、FEBC東京支社は「わかぎ」という会員誌を発行し、リスナーとの交流イベントを盛んに行っていました。人気DJの兼松豊や吉崎恵子などがフロントに立って、親しみやすさを持った放送を行い、多くのファンを魅了していました。

今後の展望

現代においても、FEBCは新しいメディアに順応しつつ、宗教放送の重要性を保ちながら活動を続けています。インターネットを活用し、世界中のリスナーに宗教のメッセージを届ける努力は、今後も続いていくことでしょう。キリスト教の信仰が広がる手助けとして、FEBCは引き続きその使命を果たし続けることが期待されています。

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