FGM-172 SRAW

ロッキード・マーティン プレデター

ロッキード・マーティン社が製造したプレデター（FGM-172 SRAW）は、アメリカ合衆国の海兵隊によって採用されている近距離対戦車ミサイルです。本ミサイルは、従来の対戦車ミサイルとは異なるタイプの誘導システムを採用しており、射手が発射前に目標を約3秒間追尾することで、内部のナビゲーションシステムがその距離、方向、速度を正確に計算します。この情報を元に、ミサイルは慣性誘導（INS）を使用して目標に向けて飛行し、非常に正確な射撃が可能です。

特徴と利点

プレデターは、完全に目標を自動追尾するわけではなく、目標の情報を事前に取得してその情報を基に誘導飛行を行います。これにより、一般的な誘導ミサイルと比べて特異な設計となっています。通常の対戦車ロケット弾と比較しても、本ミサイルは慣性誘導を使用しているため、より安定した飛行が実現されており、一定の射程からでも確実に命中させることができます。

特に優れた点は、最低射程を極めて短く設定できることです。一般的な目標追尾式のミサイル食は、対象物が捕捉されるまでに一定の距離が必要なため、最低で75メートル以上が必要です。しかし、プレデターは慣性誘導を採用することで、最低射程を17メートルにまで短縮し、近接戦闘においても高い有効性を発揮します。

末尾航程とバリエーション

プレデターには、末尾航程において異なる攻撃形態を持つ二つのバリエーションがあります。一つは「トップアタック形式」で、これに該当するのがFGM-172Aです。もう一つは「直撃形式」であり、FGM-172Bとして運用されています。これにより、多様な戦術に対応可能となり、戦場での柔軟な運用が可能です。

参考文献と関連項目

プレデターに関する詳細な情報は、Andreas Parschの「Lockheed Martin FGM-172 SRAW」が参考になります。また、関連した兵器として、対戦車ミサイルや対戦車ロケット弾、アメリカ海兵隊が採用したSMAWロケットランチャー、さらにイギリスとスウェーデンによって共同開発されたNLAWなどがあります。これらと比較することで、プレデターの特性とその役割について理解を深めることができるでしょう。

このように、ロッキード・マーティン プレデターは独自の設計と運用方法により、近距離戦闘に特化した能力を持つ対戦車ミサイルとして注目されています。

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