FIFA Anthem

FIFA Anthem（フィファ・アンセム）

FIFA Anthemとは、ドイツ人の作曲家フランツ・ランベルトによって作曲された行進曲であり、サッカー界において非常に重要な位置を占めています。この曲は特に、FIFA主催の大会やイベントで使用され、選手入場時に流れることで、観客や選手たちの心を高ぶらせる役割を果たしています。

歴史的背景

FIFA Anthemは1994年にアメリカで開催されたFIFAワールドカップで初めてお披露目されました。ただし、開幕戦のドイツ対ボリビア戦では、関係者の操作ミスによって、スタジアムでは演奏されずテレビのみで聞かれるというハプニングが発生しました。この出来事にも関わらず、その後の大会ではアレンジされたバージョンなどが用いられ、多くのサッカーイベントの象徴的な曲として定着していきました。

2006年のFIFAワールドカップ以降、FIFA Anthemは新たなアレンジが施されたバージョンが主に使用されています。特に、日本国内においても、高校サッカー選手権大会などで広く演奏されていますが、2008年度の第87回大会から新バージョンに切り替わりました。そのため、過去の大会でも新旧のバージョンが時折使われており、2006年のW杯決勝やAFCアジアカップ2011では旧バージョンが再び流れるなど、めまぐるしく変わる音楽の流れを見せています。

現在の使用状況

今日、FIFAのガイドラインによって、FIFA主催の公式大会では必ず選手が入場する際にFIFA Anthemが流されることが定められています。国際Aマッチや各カテゴリの国際試合でも同様に使用され、多くのファンがこの曲を耳にする機会を持っています。また、国内の大会でもこのアンセムが用いられることがあり、日本の場合、高円宮杯や全国高校サッカー選手権決勝での選手入場時に流されることが一般的でした。

しかし、2020年1月にFIFAが新しいアンセム「Living Football」の使用を決定したため、国際試合におけるFIFA Anthemの使用が禁止されました。これを受けて、日本サッカー協会（JFA）も国内大会でこの曲の使用を見合わせ、替わりに「日本サッカーの歌」を推奨する通達を各都道府県サッカー協会に送付しました。

例外とその他の楽曲

FIFA Anthemは多くの大会で演奏されてきましたが、例外も存在します。2002 FIFAワールドカップでは、ヴァンゲリスの「アンセム-2002 FIFA World Cup 公式アンセム」が使用されました。また、2018 FIFAワールドカップでは、ハンス・ジマーとローン・バルフの楽曲「Living Football」が演奏され、その後の国際試合でも使われています。さらに、UEFA欧州選手権では選手入場時に無音であるか別の曲が使われています。

最近では、2022年以降にFIFAが新たに「FIFA Sound」というレーベルを立ち上げ、今後は世界的なアーティストやDJ、音楽プロデューサーによるオリジナルサウンドトラックが、ワールドカップや主要大会の入場曲として使用される予定です。これにより、FIFA Anthemや「Living Football」に代わる新しい音楽の波がサッカー界にやって来ることでしょう。

まとめ

FIFA Anthemは、サッカー世界の重要なシンボルとなっており、歴史と共に進化を続けています。音楽は試合の雰囲気を高め、選手やファンをつなぐ大切な要素であります。これからのFIFA主催大会での新たな音楽体験が期待される中、FIFA Anthemが持つ役割や価値は依然として重要であるといえるでしょう。

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