FIFO

FIFO（先入れ先出し）

FIFO（First In, First Out）は、データがキューに格納される際、最初に入ったものが最初に取り出されるという原則に基づいた処理方式です。この概念は、情報を扱う多くの分野で基本的な役割を果たしています。特に、情報処理の順番を重要視するシステムや構造でなければなりません。この文章では、FIFOの基本的な理解から具体的な実装までを解説します。

FIFOの基本概念

FIFOの名は、文字通り「先に入ったものが先に出る」ことを意味しており、これによりデータの入出力としての順序が保たれます。この原則は、データ構造のキューに多く採用されており、一般的な待機列や情報の処理方式において広く認識されています。日本語では「ところてん式」などの俗語がこの概念を表しています。例えば、キューに新しいデータが追加された場合、これに先行する古いデータが優先的に処理されます。

コンピュータにおけるFIFO

コンピュータサイエンスでは、FIFOは特定のデータ構造に特に関連しています。キューは、その内部でデータの順序を維持しながら格納されます。FIFOキューでは、最初に追加されたデータが、最初に削除されることが保証されています。これは入出力の順序に従ったものであり、LIFO（Last In, First Out）とは異なります。LIFOはスタックなどで見られるデータ処理方式です。

例えば、FIFOの基本的なデータ構造は以下のようになります。

```cpp
struct fifo_node {
fifo_node next;
value_type value;
};

class fifo
{
fifo_node front;
fifo_node back;
fifo_node dequeue(void)
{
fifo_node tmp = front;
front = front->next;
return tmp;
}
queue(value)
{
fifo_node *tempNode = new fifo_node;
tempNode->value = value;
back->next = tempNode;
back = tempNode;
}
};
```

上記の例では、`queue(value)`メソッドでデータが追加され、`dequeue()`メソッドで先頭のデータが取り出されます。このようなシンプルな実装により、FIFOの基本特性が反映されています。

パイプにおけるFIFO

一般的に、「パイプ」と呼ばれるデータ処理のメカニズムもFIFOに則った動作をします。特に、「名前付きパイプ」とはファイルシステムの特定の種類で、具体的にはFIFOに分類されます。これは、システム内でデータが流れる際の順序を譲りません。

論理回路でのFIFOの役割

論理回路においては、FIFOはデータの一方向への流れを管理するための重要な要素です。これにより、効率的なバッファリングが実現されます。FIFOの実現手法には、シフトレジスタのように全体のデータを一方向に移動させる方法や、アドレス指定されたメモリを用いる方法があります。

重要なFIFOの使用例としては、デュアルポートSRAMがあります。このSRAMは、一方のポートが書き込みに使われ、もう一方が読み出しに利用されます。また、FIFOにはいくつかの状態表現のフラグがあり、状態に応じてどのように動作するかを制御できます。たとえば、容量が少なくなると割り込みを発生させることも可能です。

結論

FIFOは、データがどのように扱われるかを示す重要な概念であり、様々な分野でその役割を果たしています。データの順序管理が必要な状況において、FIFOは極めて有用な手法です。

もう一度検索