FINAL DISTANCE

「FINAL DISTANCE」について

「FINAL DISTANCE」（ファイナル・ディスタンス）は、日本の歌手宇多田ヒカルが2001年7月25日に発売した8枚目のシングルです。この曲は、彼女の2ndアルバム『Distance』に収録された同名のトラックを基に、アレンジを加えたバージョンとしてシングルカットされました。

制作の背景

本来、シングルとしては元の「DISTANCE」をリリースする計画でしたが、宇多田はニューヨークに住んでいる際に、日本のスタッフから提案されたリミックスを聴いたことがきっかけとなり、新たなバージョンを制作したいと考えました。彼女は「DISTANCE」をバラードとして準備していましたが、その制作過程でポップなアレンジが生まれ、「FINAL DISTANCE」として再構築されることになりました。この曲が完成したことで、後に『光』や『traveling』といった人気シングルの制作へとつながり、最終的には3rdアルバム『DEEP RIVER』の制作にも影響を与えました。

事件との関わり

しかし、レコーディング中に潜伏池田小事件が起きました。この事件による犠牲者が宇多田のファンであったことを知った彼女は、制作中の「FINAL DISTANCE」をその少女に捧げ、曲のタイトルもそのまま「FINAL DISTANCE」としました。CDパッケージにはその少女への追悼メッセージが載せられました。

特徴

このシングルには原曲「DISTANCE」がカップリングとして収録されており、アルバムバージョンよりも長いフェードアウトが特徴です。このバージョンでは、宇多田の繊細なフェイクを聴くことができるのも魅力の一つです。さらに、シングル販売によるオリコン集計では、宇多田の総売上が1000万枚を超え、デビューからの期間としては最速での達成となりました。この記録は今も破られていない独自のものであり、多くのアーティストの目標となっています。

ミュージックビデオ

「FINAL DISTANCE」のプロモーションビデオは、紀里谷和明監督によって制作され、彼にとっては宇多田との初のコラボレーション作品です。この映像は曲のテーマを強調し、視覚的にも印象に残るものになっています。

著作権と評価

日本音楽著作権協会（JASRAC）では、この曲は「DISTANCE」に関連する形で登録されています。また、「DISTANCE」は2001年度の著作権使用料分配額ランキングで6位、2002年度には5位を獲得し、その人気の高さを示しています。

収録曲

シングルには以下の楽曲が含まれています：

• - FINAL DISTANCE (5:40)

編曲：河野圭 & 宇多田ヒカル、ストリングス・アレンジ：斎藤ネコ
※DoCoMo M-stage CMソング

• - DISTANCE -PLANITb Remix- (6:16)

ラッセル・マクナマラ

• - DISTANCE -m-flo remix- (5:57)

編曲 & ストリングス・アレンジ：河野伸、produced by TAKU (m-flo)

• - DISTANCE (5:42)

編曲：河野圭 & 宇多田ヒカル

• - DISTANCE -Original Karaoke- (5:42)
• - FINAL DISTANCE -Instrumental- (5:37)

「FINAL DISTANCE」は、今でも多くのファンに親しまれ、宇多田ヒカルの音楽の中で特に重要な一曲となっています。

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