FINAL FANTASY XI〜THE OUT OF ORDERS〜

『FINAL FANTASY XI〜THE OUT OF ORDERS〜』は、スクウェア・エニックスが発行する青年漫画雑誌『ヤングガンガン』の創刊号で看板作品として連載が開始された漫画作品です。人気オンラインゲーム『ファイナルファンタジーXI（FFXI）』を原作としており、作画はキム・ビョンジン、原作はキム・ソンジェが担当しました。

しかし、連載はわずか3回で突如として中止されました。作者が韓国人であったにも関わらず、当時韓国では『FFXI』の正式サービスが開始されていませんでした。そのため、作者自身も連載前に「世界観を把握するのに奮闘中」とコメントしています。

世界観の表現

本作の舞台は、原作における「クリスタル戦争」時代、特にウィンダス連邦の「カルゴナルゴ砦の戦い」が描かれています。登場人物はサンドリア騎士団メリュジーヌ隊であり、時系列はカラハバルハが完全召喚を行った後、カルゴナルゴ砦が陥落寸前になった頃と推測されます。

登場人物

登場人物は『FFXI』の拡張ディスク『ジラートの幻影』以前のジョブのAF（アーティファクト）姿で描かれており、原作設定に比較的忠実です。ただし、表情を見せるためか、顔を覆う頭部装備は省略されています。主要キャラクターはエルヴァーンが多く描かれていますが、原作では国籍を問わない部隊編成であるため、他の種族も登場します。しかし、フェイス（キャラクターの顔グラフィック）の種類は原作の一部に留まり、忠実とは言い難い部分もあります。

主人公

連載休止までの主人公はメリュジーヌ隊隊長のヴァリグですが、正規の主人公は別に存在します。連載開始前から設定イラストが公開されていましたが、性別が男性であること以外は不明で、名前や種族、ジョブすらも不明です。また、装備も原作ではありえない組み合わせでした。

原作設定との相違点

本作には、作者のオリジナリティによる原作設定との相違点がいくつか見られます。特にタルタル族の描写は、原作の「陽気で無邪気」なイメージとは異なり、「知性の乏しい幼い子供」として描かれています。また、ナイトが片手剣の一撃でヤグードハイプリーストを倒すシーンは、原作の設定上ではありえない描写です。

休載から連載中止へ

第3話まで連載された後、「作者取材のため」という理由で長期休載が発表されました。その後、連載再開の告知もありましたが、結局「作者の都合」という理由で連載中止となりました。新創刊誌の看板作品であり、ゲームの発売元であるスクウェア・エニックスの発行であったにもかかわらず、このような事態に至った理由は不明です。

この漫画は、原作の世界観をベースにしつつも、作者独自の解釈や表現が加えられた作品です。しかし、連載が短期間で終了したため、その全貌を知ることは困難となっています。原作ファンにとっては、興味深い作品である一方で、設定の相違点などから違和感を覚える部分もあるかもしれません。

外部リンク

SQUARE ENIX OFFICIALSITE

ファイナルファンタジーXI OFFICIALSITE

ヤングガンガン YOUNG GANGAN OFFICIALSITE

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