FL (航空機)

XFL エアラボニータについて

XFL エアラボニータ（Bell XFL Airabonita）は、ベル社がアメリカ海軍のために設計した艦載戦闘機です。この機体は陸軍用のP-39エアラコブラ戦闘機を基にしていますが、量産に至ることはなく、試作段階で終わりました。

概要

XFLは、当時開発されていたP-39とほぼ同様の性能を持つ機体として位置付けられています。エンジンにはアリソンV-1710液冷式レシプロエンジンが搭載され、プロペラの駆動方式もP-39と同様に機首に3翅プロペラを配置しています。このエンジンは、長さ3.2メートルの延長軸を通じてプロペラに接続されています。武装は、37mm機銃または12.7mm機銃をプロペラ軸の内側に装備することが可能で、さらに7.62mm機銃が2門搭載されています。

P-39との主な違いは着陸装置のデザインです。P-39が前輪式の着陸脚を採用しているのに対し、XFLは尾輪式を採用し、着艦フックも備えています。また、着艦時の操作性を向上させるために、キャノピー形状の変更や主翼の改良も行われました。

開発とテスト

この機体の開発契約は1938年に締結され、初飛行は1940年5月13日に行われました。しかし、海軍への納入はエンジンに関する問題により1941年2月まで遅延しました。海軍は「XFL-1」という名称で試験を開始しましたが、計画時よりも機体の重量が増加してしまい、方向安定性の不足が露呈しました。そのため、1941年12月には不採用が決定され、結局は製造が1機にとどまる結果となりました。

仕様

• - 全長: 9.07メートル
• - 全高: 3.89メートル
• - 全幅: 10.67メートル
• - 自重: 2,341キログラム
• - エンジン: アリソン V-1710 液冷式レシプロエンジン（1,150 馬力）1基
• - 最大速度: 464 km/h
• - 航続距離: 1,725 km
• - 乗員: 1名
• - 武装: 37mmまたは12.7mm機銃1門、7.62mm機銃2門

このように、XFLエアラボニータは、陸軍向けのP-39を基にした艦載戦闘機でありながら、試作段階での評価にとどまったユニークな存在です。海軍の航空戦力としての可能性が評価される一方、設計上の課題も多く、最終的には実戦投入には至りませんでした。

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