FMねまらいん

特定非営利活動法人防災・市民メディア推進協議会とFMねまらいんの歴史

特定非営利活動法人防災・市民メディア推進協議会は、岩手県大船渡市でFM放送を行っている特定地上基幹放送事業者です。この法人が運営する通称「FMねまらいん」、または「レディオ大船渡」として知られるコミュニティ放送局は、地域の情報発信に貢献してきました。しかし、2025年に放送を休止する決定が下されました。

沿革

FMねまらいんのルーツは、東日本大震災に際して設立された臨時災害放送局「おおふなとさいがいFM」に遡ります。2011年3月31日に開局したこの放送局は、震災後の情報伝達の重要性を受けて、地域社会のニーズに応える形で設立されました。以降、2013年4月5日に特定非営利活動法人として新たに開局し、地域コミュニティに密着した番組編成を行い、地域住民に必要な情報を提供してきました。

この局の開局は、全国でも数少ない臨時災害放送局がそのままコミュニティ放送へと転換されたケースの一つであり、東北地方では初の試みでした。新たに設定した周波数は87.5MHzで、初期の78.5MHzから変更されましたが、陸前高田市に存在した中継局は継承されませんでした。

このコミュニティ放送局は、毎日22時間の放送を行い、自社制作の番組に加え、他局からの番組も放送していました。2018年4月からは、ミュージックバードのプログラムを取り入れ、さらなる多様性を追求しました。また、インターネットでも聴取が可能なSimulRadioにも参加し、リスナーとの接点を広げました。

2022年には、FMあすもとの共同制作番組を開始し、地域の情報交換が活発になりました。その後、2023年にはJ-WAVEとの放送の再開に伴い、番組の時間変更も行われました。

経営不振と閉局

しかし、2025年3月17日、経営不振や機器の老朽化、恒常的な人手不足が重なり、放送局の存続が危ぶまれる状況に至りました。このため、同年3月31日をもって放送を休止する意向が発表されました。日付の変更点は、3月31日13時30分からの休止となり、その後の3か月間は再開に向けた検討を続けるものの、後継団体が見つからず、閉局が決定されました。

さらに、6月の総会での話し合いを経て、総務省に対し廃止届が提出され、6月20日に受理されました。こうして、地域密着型の放送局としての役割を終え、FMねまらいんはその歴史に幕を下ろすことになりました。

主な番組

FMねまらいんでは、多彩な番組が放送されていました。「きらモニ!」や「875Chanねる」は、地域の情報を迅速に伝えるプログラムとして人気があり、地域住民の声を反映した内容が多くありました。また、「WEEKEND STATION」や「HOT ひと息 大船渡温泉」など、地域の特色を活かした番組も数多く制作されていました。

リスナーとの結びつきを深めるために、他局とのコラボレーションも行われ、一層の情報発信に努めていました。このように、多くの地域の声を大切にしながら放送局は活動してきたのです。

FMねまらいんは、その閉局に至るまで、地域社会の情報発信の重要性を常に認識し、地元に密着した放送活動に従事してきました。これにより、多くの人々にとって欠かせない存在であり続けていました。

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