FM796 フェニックス

FM796 フェニックス：震災復興への願いを繋いだ臨時災害放送局

FM796 フェニックスは、1995年2月15日から3月31日までの間、阪神・淡路大震災の被災地に向けて兵庫県が開設した臨時災害放送局の名称です。

名称の由来と放送体制

放送局名は、兵庫県の復興計画の愛称であった「フェニックス計画」に由来し、文字通り不死鳥のように蘇ることを願って名付けられました。放送には、NHK神戸放送局などの機材が使用され、当初は兵庫県庁1号館2階会議室、後に2号館（当時の西館）地階にスタジオが設けられました。

わずか1か月半という短い期間でしたが、その間に中継局が開設され、79.6MHz以外の周波数でも送信されるようになり、「FMフェニックス」と呼ばれることもありました。地元のMCなどがボランティアで運営を行い、2年前に神戸で開催された「アーバンリゾートフェア神戸'93」期間中のイベント放送局「FM TenTon」に関わったメンバーも一部参加しました。

放送時間とサービスエリア

放送時間は12:00から20:00までで、サービスエリアは神戸市、尼崎市、明石市、芦屋市、宝塚市、伊丹市、川西市の各市と淡路島・津名郡でした。呼出符号はJOAZ-FM、呼出名称は「ひょうごけんさいがいエフエムほうそう」でした。

放送に至る経緯

1995年2月14日：郵政省が兵庫県に臨時災害放送局の免許を交付。
1995年2月15日：放送開始。
1995年3月31日：閉局。

放送内容

放送では、以下の情報が提供されました。

阪神・淡路大震災に関連する兵庫県、各市町村からのお知らせ
災害復旧状況（鉄道、道路、ライフライン＝ガス、電気、水道など）
安否確認情報
* 被災者に対する仮設住宅や住居提供の情報

特記事項

当時の呼出符号「JOAZ-FM」は、臨時目的放送用に確保されていたものでした。この呼出符号は、FM796フェニックスの直前には前年のぎおん柏崎まつり（新潟県柏崎市）のイベント放送局に、直後には同年10月の高崎音楽祭（群馬県高崎市）のイベント放送局に指定されています。

FM796フェニックスは、短期間でありながらも、震災の情報を迅速かつ正確に伝える重要な役割を果たしました。地元の人々の協力と熱意によって支えられたこの放送局は、震災からの復興を願う人々の心を繋ぐ灯台のような存在だったと言えるでしょう。

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