FNNニュース555 ザ・ヒューマン

『FNNニュース555 ザ・ヒューマン』の歴史

『FNNニュース555 ザ・ヒューマン』は、1997年3月31日から1998年3月29日までフジテレビ系列で放送されていたニュース番組です。この番組は、フジテレビの報道スタイルを新たに切り開く試みとして、特に「人として聞きたい」「人として伝えたい」というキャッチフレーズのもとにスタートしました。

番組のスタートと背景

本番組は『FNNスーパータイム』の後継としてスタートし、フジテレビの本社が東京都新宿区から港区台場に移転した際の番組改編の一環として登場しました。この新しい取り組みは、番組制作にあたるスタッフにとっても多くの期待を寄せられるものでした。これに伴い、夕方のニュース枠では時刻表示が導入され、視聴者にとっての視覚的な利便性も向上しました。

番組の放送開始翌日には、さくらんぼテレビと高知さんさんテレビが放送を開始し、全国28局でのネットワークが形成されました。特に平日版は午後5時55分から放送され、「555」という名称が付けられました。一方で、週末版では放送時刻が異なるため、この数字はタイトルに含まれていません。

視聴率の苦難

新番組は、しかしながら開始から苦戦を強いられました。初回の放送ではメインキャスターの笠井信輔と笹栗実根の進行が滑らかでなく、しばしば混乱してCMに突入する場面も見られました。この悩みは、他局の生活情報や親しみやすさをテーマにした番組が人気を集める一方で、本番組の硬派な特集が視聴者に受け入れられなかったことの一因とされています。

視聴率は、同時期に放送されていた『ニュースプラス1』や『JNNニュースの森』には届かず、特に『スーパーJチャンネル』との比較においても視聴率がふるわない状況が続きました。結果的に、本番組は1年という短い期間で放送を終了し、この間に放送された『FNNスーパータイム』の12年半とは大きな差が生まれることに。

出演者とコメンテーター

メインキャスターとして笠井信輔と笹栗実根が登場し、彼らの若々しい風貌から報道局では「七五三コンビ」と呼ばれていました。また、経済のコメンテーターとして植草一秀が参加し、スポーツコーナーには八木沼純子や松岡修造が登場しました。お天気コーナーは三井良浩が担当し、視聴者に方向性を提示しつつも視聴率には寄与できなかった舞台裏がありました。

番組終了後の影響

笠井は、この番組終了後に平日朝の情報番組『ナイスデイ』の総合司会に就き、翌年には後継番組においてサブ司会として再登場しました。彼の経歴は、この番組を経て大きく変わることとなりました。

逸話と記憶

本番組は笠井の唯一の報道番組であり、彼の回想によると、情報番組からのリポーターという形での異動がこのメインキャスターへと繋がった経緯があります。また、1997年に起きた動燃の関連ニュースでは、微妙なトラブルが続き、視聴者に奇妙な印象を与えたこともありました。その後も、笠井はこの状況について後に冗談交じりで語っており、番組反響への影響を思うと興味深い逸話となっています。

最終的に『FNNニュース555 ザ・ヒューマン』は短命に終わりましたが、その歴史はフジテレビのニュース番組がどのように変遷してきたかを示す重要な一端となっています。

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