FULL-TENSION BEATERS

『FULL-TENSION BEATERS』

「FULL-TENSION BEATERS」は、2000年7月26日にavex traxからリリースされた東京スカパラダイスオーケストラの8作目のアルバムです。この作品は、ドラムスの青木達之の死を受けて制作されました。メンバーの冷牟田竜之がプロデュースを手掛け、これまでの作品とは一味違ったロック色の強い、ハードなサウンドで構成されています。楽曲の収録には主に一発録り形式が用いられ、よりライブ感のある仕上がりが強調されています。

本作は、加藤隆志が正式メンバーとして初めて名を連ねたアルバムでもあり、サポートドラマーとしてフィッシュマンズの茂木欣一がレコーディングに広く関与しています。茂木は翌年、正式メンバーとして加入することになります。初回限定盤には特別な特典として、8cmCDが同梱されており、ファンにとっては嬉しいポイントとなっております。

収録曲

アルバムは二枚組で構成されており、DISC.1には複数の楽曲が収録されています。まず、オープニングを飾る「フィルムメイカーズ・ブリード～頂上決戦～」は、本作の先行シングルとしてもリリースされ、ミュージックビデオも制作されました。これは冷牟田竜之の作曲によるものです。

続いて、加藤隆志作曲の「5 days of TEQUILA」や、Lalo Schifrinによる「燃えよドラゴン」といった楽曲が収められています。また、「Skarada Dub」はNARGO作曲で、ミキシングは内田直之が担当し、オリジナルバージョンはシングルの「フィルムメイカーズ・ブリード～頂上決戦～」に収録されています。

他にも、オリジナルダブバージョンの「動かぬ男～The "BIG MAN" still standing～」や、ライブ音源を使用した「Jon Lord (LIVE Dub)」など、多彩なスタイルの楽曲が揃っています。

「Monsoon Town」や、冷牟田が作曲を手掛けた「Howlin' Wolves」も収録され、インタールードを含む多様な曲構成によって、聴き応えのあるアルバムに仕上げられています。アコースティックな要素も取り入れた楽曲「Guts For Saxophone」や、ジャズクラシックの「In A Sentimental Mood」も新たな味わいを加えています。

限定盤の特典

初回盤にのみ収録されるDISC.2には「Taboo SKA」やDeep Purpleの「BLACK NIGHT」のカバーが含まれています。これらの曲は特にファンの間でも熱く支持されており、アルバムの特徴的なロックサウンドとは別の魅力を持っています。

「FULL-TENSION BEATERS」は、東京スカパラダイスオーケストラの音楽的な進化を感じさせる作品であり、メンバーへの追悼の意を込めた力強いサウンドと、革新を続ける姿勢が伝わる一枚です。

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