FUZZ (テレビ番組)

『FUZZ』

『FUZZ』（ファズ）は、2002年4月6日から2005年3月26日まで、約3年間にわたり放送されていた日本の音楽情報番組です。この番組は、地上波の毎日放送テレビ（MBSテレビ）とCSチャンネルのスペースシャワーTVという、異なる媒体で展開されていました。

番組の中心となる構成は、毎週異なる一組の音楽アーティストをゲストとして招き、彼らの内面に深く迫るというものです。番組の進行役を務めるVJ（ビデオジョッキー）が、ゲストアーティストとの対話を通じて、その音楽性はもちろんのこと、人としての魅力や普段見せることのない素顔を引き出すことに重点を置いていました。インタビューは、スタジオでの収録だけでなく、アーティストゆかりの場所や、彼らの活動現場など、様々なロケーションでのロケ形式が採用されることもありました。これにより、よりリラックスした雰囲気の中で、アーティストの本音やクリエイティブな一面を垣間見ることが可能となっていました。

また、『FUZZ』は、CDショップチェーンであるHMVとの連携も大きな特徴の一つでした。番組内で、HMVが独自に選定し推薦する「レコメンドアーティスト」が紹介されるコーナーが設けられていました。この連携は放送だけに留まらず、物理的な空間にも展開されていました。全国各地のHMV店舗内に、番組で取り上げられたり、HMVが推薦するアーティストの楽曲を試聴できる特設コーナーや、ミュージックビデオ（PV）を視聴するためのスペースが設置されていました。これは、テレビ番組を通じてアーティストへの関心を高め、店舗での購買や体験へと繋げる、メディアと小売店の連携によるプロモーション手法でした。

番組の「顔」とも言えるVJは、放送期間中に数名の女性が務めました。番組のスタートを飾ったのは、2002年4月6日から同年9月28日まで担当した佐藤ともみ氏です。続いて、2002年10月5日からはジャスミン・アレン氏がVJを引き継ぎ、2004年3月27日までという比較的長い期間、番組を支えました。そして、番組の最終期である2004年4月3日から最終回を迎える2005年3月26日までは、佐久間麻由氏がVJとして番組を進行し、その歴史に幕を下ろしました。各VJはそれぞれの個性をもって、ゲストアーティストとの多様なケミストリーを生み出し、番組に彩りを加えていました。

放送時間は、各局で異なって設定されていました。毎日放送テレビでは、毎週土曜日の深夜帯、25時40分から25時55分までの15分枠で放送されていました。一方、スペースシャワーTVでは、毎週日曜日の19時00分から19時15分に本放送が行われ、さらに視聴機会を増やすため、翌日の月曜日12時00分から12時15分にかけてリピート放送も実施されていました。短い時間の中に、アーティストの魅力や最新の音楽情報が凝縮されて届けられていました。

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