Fi 168 (航空機)

フィーゼラー Fi 168

フィーゼラー Fi 168は、ドイツの航空機設計者フレデリク・カッセルによって1938年に設計された地上攻撃機です。この航空機は、ドイツ航空省（RLM）の技術局からの依頼を受けて開発されました。特に注目すべき特徴は、双発機でありながらも、独自の構造を持つ高翼単葉機である点です。機体は2つのテールブームで支えられており、胴体部分は中央の支柱によって安定して保持されています。

デザインの段階で、Fi 168は不整地からの運用が可能なように設計されており、そのための工夫が随所に見られます。前方には2丁の機関銃が配置されており、直接的な攻撃力を持つ地上攻撃機としての機能が強化されています。元開発部長のエリッヒ・バッヘムは、この機体のことを「空飛ぶ戦車殺し」と称し、その攻撃性の高さを評価しています。

しかし、航空機としての展開は短命に終わりました。RLMの方針に基づき、1939年9月には計画が中止されることとなります。これにより、フィーゼラー Fi 168は実戦には投入されず、歴史の片隅に消えていくことになりました。

要目

• - 乗員: 2名
• - 全長: 12.55 m
• - 全幅: 20.90 m
• - 全高: -
• - 翼面積: 13.60 m²
• - 空虚重量: 2,612 kg
• - 全備重量: 4,630 kg
• - エンジン: 2 × アルグス As 410（465 PS）
• - 最高速度: 246 km/h
• - 巡航速度: 206 km/h
• - 着陸速度: 206 km/h
• - 航続距離: 約450 km

このように、Fi 168はそのデザインと意図された運用からも、地上攻撃機としての可能性を秘めた機体であったことが分かります。技術革新が進む中で、新たな戦争の形態に合わせた機体が求められ、このFi 168はその方向性を示す一例と考えられます。

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