Final Cut Server

Final Cut Serverは、Appleが開発・販売していたサーバ・クライアント型のソフトウェアです。主に、Final Cut Proで作成されたファイルやプロジェクトといったデジタルアセットの管理、およびワークフローの自動化を目的としていました。

概要

Final Cut Serverのサーバ部分は、データベースとしてPostgreSQLを採用しており、クライアントはJavaで記述されたプログラムで構成されていました。これにより、ネットワークに接続された複数のユーザーが、効率的にアセットを共有し、共同で作業を進めることが可能となっていました。

当初、2007年夏のリリースが予定されていましたが、開発に遅延が発生し、米国では2008年4月8日、日本ではマルチバイト言語への対応が施されたバージョン1.1のリリース後となる2008年7月2日に発売が開始されました。

その後、2009年7月23日には、大幅な値下げが行われ、クライアント数の制限がないUnlimited版のみとなったFinal Cut Server 1.5がリリースされました。しかし、2011年6月には販売が終了し、短い期間で市場から姿を消すこととなりました。

Final Cut Serverのベースとなっているのは、Appleが2006年12月に買収を発表したproximity社のartboxという製品です。この買収により、Appleはデジタルアセット管理の技術を獲得し、Final Cut Serverの開発に活かしたと考えられます。

特徴

デジタルアセットの一元管理: Final Cut Proのファイルやプロジェクトをサーバ上で一元的に管理することで、素材の検索や共有が容易になり、制作ワークフローの効率化に貢献しました。
ワークフローの自動化: ワークフローを自動化する機能により、編集作業の効率化、人的ミスの削減に貢献しました。
PostgreSQLベースのサーバ: 安定性と拡張性に優れたPostgreSQLをデータベースとして採用することで、大規模な環境でも安定した運用が可能でした。
Javaクライアント: クロスプラットフォームに対応したJavaクライアントを採用することで、多様な環境での利用を可能にしていました。

Final Cut Serverは、Final Cut Proを中心とした映像制作環境において、アセット管理とワークフローの効率化に貢献したソフトウェアでしたが、2011年に販売を終了しています。

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