FirstOneエンターテインメント

韓国ソウル特別市に本社を置くFirstOneエンターテインメント（ファーストワンエンターテインメント、朝: 퍼스트원엔터테인먼트、英: First.One Entertainment）は、2019年1月11日に設立されたエンターテインメント企業です。K-POPアーティストのマネジメントを主軸としながら、国内外で存在感を高めています。

設立者とその背景

この企業の設立者兼代表を務めるのは、ユン・ソンミ氏です。彼はエンターテインメント業界で長年にわたり、多岐にわたる経験を積んできました。特に、新卒として入社したJYPエンターテインメントをはじめ、FNCエンターテインメントなど、韓国を代表する芸能事務所でコンテンツの企画、制作、マーケティングといった中心的な業務に深く関わってきました。これらの経験は、FirstOneエンターテインメントの設立とその後の戦略立案において重要な基盤となっています。

ユン氏はまた、エンターテインメント分野に関する専門知識を活かし、ビジネスパーソン向けに講座を開催するなど、教育者としての顔も持っています。さらに、K-POPの世界戦略を分析した著作『BIGHIT K-POPの世界戦略を解き明かす５つのシグナル』を執筆しており、業界に対する深い洞察力を持つ専門家として知られています。このような多様な経験と視点は、FirstOneエンターテインメントが単なるアーティストマネジメントに留まらない、独自の道を歩む上で大きな力となっています。

グローバルな事業展開：フィリピン子会社

FirstOneエンターテインメントの特筆すべき点の一つは、設立当初からグローバル市場を視野に入れていることです。特に、フィリピンに設立された子会社、FirstOneエンターテインメントフィリピン（英: First.One Entertainment Pilipinas）は、その戦略を象徴しています。本社と同じ2019年1月11日に設立されたこの子会社は、フィリピンを拠点とするアイドルグループの育成・マネジメントに注力しています。

ここからは、フィリピン初のボーイズグループとされる1st.Oneや、ガールズグループのDIONEといったグループが誕生し、現地のエンターテインメントシーンで活躍しています。これは、韓国のシステムやノウハウを活かしつつ、現地の文化やニーズに合わせたアーティストを育成するという、ローカライズされたグローバル戦略の成功例と言えるでしょう。

所属アーティスト

FirstOneエンターテインメントには、多様なジャンルのアーティストが所属しています。

歌手: Kisum、ホ・チャンミ、ナ・ユングォン
グループ:
1st.One（フィリピンで活動）
NINE.i（韓国で活動）
* DIONE（フィリピンで活動）

中でも、NINE.iは同社が満を持して2022年3月30日にデビューさせたK-POPボーイズグループであり、今後の活動が注目されています。

デジタル分野への進出

従来の芸能マネジメント事業に加え、FirstOneエンターテインメントはデジタルトランスフォーメーションの波にも積極的に対応しています。2022年6月8日には、DelightX社との間でNFT事業に関する提携を結んだことを発表しました。この提携により、同社はデジタルカードプラットフォーム「METAFLIP」の提供や、NFTを活用した様々なオンライン・オフラインコンテンツの開発・提供に取り組んでいます。これは、新しい技術を活用してアーティストとファンとの関係性を深め、新たな収益モデルを構築しようとする同社の先進的な姿勢を示しています。

まとめ

設立から日が浅いながらも、FirstOneエンターテインメントは代表者の豊富な業界経験を背景に、韓国国内でのK-POPアーティスト育成・マネジメント、フィリピンでの現地化戦略、そしてNFTなどの最新技術を活用した新規事業開発と、多角的な事業展開を進めています。エンターテインメント業界の変化に柔軟に対応し、グローバルな視野を持つ同社の今後の動向から目が離せません。

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