Frutiger

フルティガー (Frutiger)

フルティガーは、アドリアン・フルティガーによってデザインされたサンセリフスタイルの欧文書体です。このフォントは、遠くからの視認性に優れており、特に空港や駅といった場所での案内標識に最適に設計されています。また、印刷物においても多く利用されており、その視認性の高さから幅広い用途に応えています。

歴史

フルティガーの誕生は1968年にさかのぼります。アドリアン・フルティガーは、シャルル・ド・ゴール空港の案内標識をデザインする依頼を受けた際、これまでの作品であるUniversを使うのではなく、より読みやすく空港に最適なフォントを新たに作成することに決めました。こうして1976年に、Frutigerの名前で一般に発売されることとなります。

2000年には、Frutiger Nextがリリースされ、これはアルテ・ピナコテーク美術館のためにデザインされたもので、フォントのウェイトの数を増やし、エックスハイトを高めるなどの改良が加えられました。特にイタリック体は新たにデザインされ、小文字の「a」は「一階建て」のスタイルになっている点が特徴です。

2009年には、改刻版のNeue Frutigerが登場しました。このフォントは、1977年のオリジナルフォントを基に、小林章とフルティガーが共同で改良を加えたものです。この改良により、デザインが全面的に見直され、ウェイトも充実しましたが、イタリック体は従来のFrutigerと同様の傾斜体に戻されています。

利用

フルティガーは、日本国内のさまざまな場所で使用されています。たとえば、東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅にある着発線番号表示や、東京メトロ・都営地下鉄の駅内サインに用いられる欧文表示用書体として採用されています。さらに、京阪電気鉄道では時刻表や車両番号の表記にも利用されており、西日本旅客鉄道の車両や駅サインにおいても使用されています。また、パナソニックの製品における品番表記や、雑誌、広告、テレビなど様々なメディアでも見ることができ、頻繁に目に触れるフォントとなっています。

アメリカ合衆国でも広く利用されており、特にアムトラックでは、時刻表や駅名表示などの印刷物に使用されています。さらに、サンフランシスコ・ベイエリアのバートでも、全ての標示において採用されています。

派生・類似フォント

フルティガーを原案とした派生フォントには、1997年にドイツのMetaDesignにより開発された

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