GARLAND

南野陽子さんの4枚目のオリジナルアルバム『garland』は、1987年11月1日、CBS・ソニーより発売されました。このアルバムは、南野さんのアルバムとしては初めてオリコンアルバムチャートで1位を獲得するという快挙を成し遂げました。前作『BLOOM』から約半年という短い期間でのリリースにもかかわらず、この輝かしい結果は、彼女の絶大な人気と音楽性の高さを証明するものです。

『garland』には、当時リリースされていたシングル楽曲は収録されていません。8枚目のシングル「パンドラの恋人」、そして9枚目のシングル「秋のIndication」はいずれも収録されていません。しかし、このアルバムには「秋のIndication」の別バージョンと言える楽曲が収録されています。それが「カナリア」です。

「秋のIndication」と「カナリア」は、同じメロディーを基調としながらも、歌詞とアレンジが異なっています。「秋のIndication」の作詞は許瑛子さんですが、「カナリア」の作詞は戸沢暢美さんが担当しています。この2曲の違いを聴き比べるのも、このアルバムを楽しむ一つのポイントと言えるでしょう。

さらに、『garland』のCD版には、ボーナストラックとして「ひとつ前の赤い糸」が収録されています。この曲は、「秋のIndication」のB面曲としてリリースされました。LPレコードやカセットテープでは聴くことのできない、CD版だけの特別な収録内容となっています。

『garland』は、南野陽子さんの音楽性と人気の高さを示す、記念碑的なアルバムと言えるでしょう。ヒットシングルこそ収録されていませんが、オリコン1位獲得という大きな成功、そして「カナリア」やボーナストラックの存在は、このアルバムの価値をさらに高めています。当時を知るファンはもちろんのこと、初めてこのアルバムを聴くリスナーにとっても、多くの魅力が詰まった作品と言えるでしょう。アルバム全体を通して、南野陽子さんの魅力的な歌声と、洗練された楽曲、そして聴き応えのあるアレンジが堪能できる、まさに「ガーランド」のような華やかで美しい一枚です。楽曲それぞれの個性も際立っており、アルバム全体を通して飽きることなく聴き続けられる作品となっています。リスナーの心を掴む、様々な要素が凝縮された、まさに名盤と呼ぶにふさわしい作品と言えるでしょう。

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