GLACIER

GLACIERは、沖縄県出身のヴィジュアル系ロックバンドとして、独自の音楽性を確立しました。小学校からの幼馴染みであったマコト、仍、Akiを中心に沖縄で活動を開始し、「琉球エンターティナー」を標榜しました。バンド名の「GLACIER（氷河）」は、沖縄にはないものをあえて選んだものですが、その音楽性は沖縄音階を取り入れるなど、沖縄音楽の影響を色濃く反映していました。

上京後、GLACIERは内に秘めていたウチナー魂を前面に出すようになります。デビューシングル『南国少女』では、作詞を担当したマコトが、自分たちの育った環境や感情を南国の風景を通して表現し、「琉球クラブ・ポップス」という新たな音楽性を打ち出しました。

初のアルバム『琉球カルメン80's』では、沖縄音楽らしさを残しつつも、打ち込みを多用し、歌謡曲のようなメロディを取り入れるという、斬新な試みに挑戦しています。仍は、これらの楽曲が自身の内から自然に生まれたものであると語っています。アルバムには、スペイン風の情熱的なサウンドを意識した楽曲「琉球カルメン」も収録されており、「南国」というコンセプトも表現されています。

2008年にはシングル『SADISTIC LOVE』をリリース。前作とは異なり、インディーズレーベルからの発売となりました。この楽曲は、それまでの代表曲であった「南国少女」とは異なり、クラブテイストを強調し、レトロでお洒落な雰囲気を表現しています。

バンドは2008年に一度活動を見つめ直し、沖縄の看板を背負いつつ、沖縄バンドとしての精神を保持し続けるという原点に立ち返りました。ヴィジュアル系専門誌への露出を減らし、地元沖縄のメディアを中心に活動を展開。2009年には沖縄県那覇市で単独公演を開催し、与那原まつりにも出演するなど、地域に根ざした活動を積極的に行いました。

2009年11月には、自身のレーベルから初の作品となる『かなさんバナ』を発売。サウンドプロデューサーには、Valentine D.C.の由田直也を迎えました。与那原まつりでのライブの模様は、この作品のDVDに収録されています。CDパッケージには「Made in Okinawa」と記載するなど、沖縄へのこだわりを強く打ち出しています。

2009年11月には、サポートギタリストであった幸二郎が正式メンバーとして加入。しかし、2010年には幸二郎とドラムの佑生が脱退し、バンドは今後の活動について模索することとなりました。

GLACIERは、メンバーチェンジを経ながらも、沖縄音楽とロックを融合させた独自の音楽性を追求し続けました。その活動は、ヴィジュアル系シーンだけでなく、沖縄の音楽シーンにも大きな影響を与えました。

メンバー
Vocal: マコト
Guitar: 仍（なお）
Bass: Aki（あき）

ディスコグラフィ
琉球恋歌（2007年）
南国少女（2008年）
SADISTIC LOVE（2008年）
かなさんバナ（2009年）
琉球カルメン80's（2008年）

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