GNOME パネル

GNOMEパネルは、GNOMEデスクトップ環境で利用されるグラフィカルシェルであり、アプリケーションの起動やウィンドウ管理など、ユーザーインターフェースの中核を担う要素です。主にランチャー機能やタスクバー機能を提供し、ユーザーはこれらを通じてデスクトップ環境を操作します。

GNOME 2における役割
GNOME 2では、GNOMEパネルがデフォルトのシェルとして採用されていました。画面上部と下部に配置されたパネルは、アプリケーションの起動、ウィンドウの管理、システム設定へのアクセスなど、デスクトップ環境の基本的な操作を可能にしていました。

GNOME 3での変化
GNOME 3では、デフォルトのシェルがGNOME Shellへと変更されました。しかし、GNOMEパネル自体は完全に廃止されたわけではなく、引き続き利用することが可能です。GNOME Shellはよりモダンなインターフェースを提供しますが、GNOMEパネルは従来の使い慣れたインターフェースを好むユーザーにとって、依然として有効な選択肢となっています。

外観と構成
GNOMEパネルは、通常、画面の上部と下部に2つのパネルが配置されます。上部パネルには、主に「アプリケーション」「場所」「システム」といったメニュー項目があり、アプリケーションの起動、ファイルやフォルダへのアクセス、システム設定の変更などが行えます。また、時計やカレンダー、通知領域なども含まれており、デスクトップ環境に関する重要な情報を提供します。
下部パネルは、デフォルトでは空の状態ですが、開いているウィンドウが表示される場所として機能します。これにより、複数のアプリケーションを同時に利用する際に、どのウィンドウが開いているかを把握しやすくなります。

カスタマイズの柔軟性
GNOMEパネルの最大の特長は、その高いカスタマイズ性です。ユーザーは、メニューやボタンを自由に追加、削除、移動することができます。これは、Microsoft Windowsにおけるタスクバーのカスタマイズと同様の機能であり、ユーザーの好みに合わせてデスクトップ環境を調整することが可能です。
例えば、よく使うアプリケーションのアイコンをパネルに追加したり、特定のフォルダへのショートカットを配置したりすることができます。さらに、上部パネルを削除して下部パネルのみにしたり、通知領域の位置を変更したりするなど、ユーザーはGNOMEパネルを自分のワークフローに最適化することができます。

他のデスクトップ環境との比較
GNOMEパネルは、他のデスクトップ環境における同様の機能を提供するものと比較することができます。例えば、KDE PlasmaのKickerやmacOSのDockなどがあります。これらのデスクトップ環境においても、アプリケーションの起動、ウィンドウ管理、システム設定へのアクセスなどが可能ですが、それぞれに異なる特徴やカスタマイズ性を持っています。GNOMEパネルは、そのシンプルさと高いカスタマイズ性から、多くのユーザーに支持されています。

参考文献

Panel'>gnome-panel - GNOME Wiki

関連項目

Dock
Kicker
タスクバー
en:Comparison of application launchers

外部リンク

公式ウェブサイト
* Panel'>プロジェクト・ウェブサイト

もう一度検索