GOLD CD

GOLD CD：輝きと高音質を両立したディスク

1980年代、音楽CDの世界に新たな選択肢が登場しました。それが、反射膜に24K金を使用したGOLD CDです。通常のCDと同じようにCDプレーヤーで再生可能でありながら、その音質と保存性の高さから、多くの音楽愛好家を魅了してきました。

GOLD CDの誕生と普及

GOLD CDは、日本のウルテック社が世界で初めて開発に成功しました。その技術は、1987年に米国のMobile Fidelity Sound Lab社が「Ultradisc」として商品化することによって世界に広まりました。初期の製造はウルテック社が担っており、Mobile Fidelity Sound Lab社は様々なレコード会社からマスターテープを借り受け、独自のマスタリングを施した高音質のGOLD CDをリリースすることで知られています。

日本では1988年から1989年にかけて、GOLD CDが盛んに発売されました。海外ではピンク・フロイドやディープ・パープルなど、著名なアーティストの作品もGOLD CDでリリースされています。さらに、DCC Compact Classics社も、GOLD CDを主要な媒体として高音質CDを発売していました。

GOLD CDの優位性

GOLD CDは、通常のCDに使用されているアルミニウムとは異なり、金を使用することで音質と保存性の向上が期待できます。金の粒子はアルミニウムよりも小さく、レーザー光の反射におけるデジタル波形歪みが小さくなるため、よりクリアなサウンドを実現するとされています。また、金はアルミニウムに比べて酸化による腐食に強いことから、長期間にわたる保存にも適しています。ただし、デジタル信号の性質上、波形歪みがデータに影響することは原理的にありません。

GOLD CD以外の金属蒸着CD

GOLD CD以外にも、反射膜に銀を使用したCDが存在します。しかし、これらは「SILVER CD」や「シルバーディスク」とは呼ばれず、一般的には「銀蒸着」という表現が使われます。ソニーミュージックが積極的に銀蒸着CDの制作・販売を行っており、一部のクラシックCDや大滝詠一氏のアルバムなど、初回盤に銀蒸着仕様が採用された例が見られます。

GOLD CD-ROMの存在

GOLD CDは、音楽CDだけでなく、CD-ROMにも応用されています。例えば、富士通から発売された『フリーウェアコレクション3』の特別版や『フリーソフトウェアコレクション10』の初回プレス版は、GOLD CD仕様でリリースされました。これらの例は、GOLD CD技術が音楽分野以外にも活用されていたことを示しています。

まとめ

GOLD CDは、その高い音質と保存性、そして歴史的な背景から、音楽愛好家にとって特別な存在となっています。アルミニウム反射膜のCDとは異なる魅力を持ち、現在でもコレクターアイテムとして人気を博しています。また、銀蒸着CDなど、金属蒸着技術の応用は、音楽メディアの進化において重要な役割を果たしてきたと言えます。GOLD CDは、単なる音楽メディアではなく、技術革新と音楽文化の融合を象徴する存在と言えるでしょう。

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