GOOD TIMES (柳ジョージのアルバム)

日本のロックミュージシャン、柳ジョージが1984年12月21日にワーナー・パイオニア/Atlantic Recordからリリースしたカバーアルバムが『GOOD TIMES』です。

解説

『涙で、アメリカが霞んで見えた。』というキャッチコピーが付けられたこのアルバムは、柳ジョージ自身初のカバーアルバムであり、1930年代から1960年代にかけてアメリカで発表されたポピュラーソングのカバーを収録しています。彼のルーツとも言えるアメリカンポップスへの憧憬が込められた作品と言えるでしょう。1985年には続編となる『GOOD TIMES Part 2』、1989年には『GOOD TIMES 3』がリリースされ、シリーズ化もされました。ライナーノーツの楽曲解説は、DJの小林克也が担当しています。

受賞

1985年の『第27回日本レコード大賞』では、企画賞を受賞しています。

批評

CDジャーナルは、「柳ジョージが少年時代に太平洋のかなたにある巨大なスクリーンに映し出されるアメリカ文化に憧れ、そこで流れた名曲を大人になった今、その渋味のある声で歌っている」と評し、その上で「ストリングスをバックに歌う名曲の数々を、バーボンでも飲みながら聞きたくなる」と肯定的に評価しています。彼の持ち味であるハスキーで渋い声質が、カバーされた楽曲の魅力を引き立てていると言えるでしょう。

収録曲
収録曲は、以下の通りです。

Too Young
Blue Moon
Come Rain or Come Shine
Under The Boardwalk
Crying in the Chapel
Blueberry Hill
The Great Pretender
Cry
South of The Border
Danny Boy

楽曲解説

Too Young: 1951年にジョニー・デズモンドが発表し、同年にナット・キング・コールがカバーしてミリオンセラーを記録した楽曲です。
Blue Moon: 1934年に発表されたアメリカのポピュラーソングで、ビリー・ホリデイやエルヴィス・プレスリーなど、多くのアーティストによってカバーされています。
Come Rain or Come Shine: 1946年に発表されたミュージカル『セント・ルイス・ウーマン』のために書き下ろされた楽曲で、サラ・ヴォーンやレイ・チャールズらによってカバーされています。
Under The Boardwalk: 1964年にドリフターズが発表し、1965年にはローリング・ストーンズがカバーした楽曲です。
Crying in the Chapel: 1953年に発表された楽曲で、ダレル・グレンやエルヴィス・プレスリーらによってカバーされています。
Blueberry Hill: 1940年に発表された楽曲で、ファッツ・ドミノがカバーしたバージョンが特に有名です。
The Great Pretender: 1955年にプラターズが発表した楽曲で、後にフレディ・マーキュリーもカバーしています。
Cry: 1951年にジョニー・レイが発表した楽曲です。
South of The Border: 1939年に公開されたアメリカ映画『South of the Border』に使用された楽曲です。
Danny Boy: 1910年に発表されたアイルランド民謡で、フレデリック・ウェザリーが歌詞をつけたことで広く知られるようになりました。

参加ミュージシャン

Vocal: 柳ジョージ
Drums: 田切純一
Bass: 長島進
Guitar: 知久光康, 近藤敬三
Keyboards: 杉田裕
Strings: HIIRO STRINGS GROUP
Violin solo: 日色純一
Back Ground Vocal: J-WALK

『GOOD TIMES』は、柳ジョージの音楽的なルーツを垣間見ることができる、貴重なカバーアルバムと言えるでしょう。

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