GRASS ARC.

GRASS ARC.：鮮烈なデビューと惜しまれる活動休止

GRASS ARC.（グラスアーク）は、1998年に結成された日本のロックバンドである。ボーカルの上峰芹（本名：甲斐英光）、ドラムの早灘圭志（本名：高橋邦男）、ギターの上野幸司という3名を中心に活動を開始。後にベーシストの脇田啓行が加入する。バンド名の由来や結成秘話、メンバーの個性などが詳細に語られていないため、ここでは主に彼らの活動の軌跡について記述する。

1998年初頭、高校時代の友人だった甲斐と高橋は、共に音楽活動を目指し、友人のギタリストと共に路上ライブを開始した。その後、上野幸司が加入し、バンドはGRASS ARCADE（グラスアーケード）として本格的な活動を開始する。大阪の心斎橋や難波を中心に精力的なライブ活動を行い、特にアメリカ村三角公園でのライブは多くの観客を集め、人気を高めていった。

自主制作カセットテープの販売も開始し、着実にファンを獲得。彼らの熱意が実を結び、読売テレビの関係者の目に留まり、メジャーデビュー前からアニメ『金田一少年の事件簿』のオープニングテーマを担当することが決定した。

1999年2月10日、シングル『BRAVE』でメジャーデビューを果たす。この曲はスマッシュヒットを記録し、GRASS ARCADEは一躍注目を集める存在となる。同年6月23日にはセカンドシングル『Butterfly』をリリースし、テレビやラジオなどメディア出演も積極的に行い、人気はさらに上昇した。インディーズ時代にはミニアルバム『!』もリリースしている。

しかし、バンドはその後大きな転換期を迎える。1999年9月、バンド名をGRASS ARC.に変更し、ベーシストの脇田啓行が加入。メジャーファーストアルバム『sing-a-horic』の制作に取り組むが、完成間近で方向性の見直しを決定。再制作を行うも、その後、脇田は脱退し、バンドは活動を停止することとなった。『sing-a-horic』は幻の作品として、今も多くのファンを惹きつけている。他のGIZA studio所属アーティストがオリジナルアルバムを発表する中、GRASS ARC.は最も早く、かつ作品数の少ないまま活動を休止した。メンバーは脇田以外、ビーイングを離れることとなる。

それから約15年後、2014年2月8日、GRASS ARCADE名義で、大阪の扇町para-diceにて記念ライブを開催。甲斐と高橋を中心に、サポートメンバーを加えた編成で、過去の楽曲を披露した。このライブにはオリジナルメンバーの上野は参加しなかった。演奏されたのは『Butterfly』、『素顔のままで』（未発表曲）、『君のいる風景』（BRAVEのカップリング曲のバンドアレンジ）、そして『BRAVE』という、GRASS ARC.の歴史を彩る楽曲達であった。

メンバーそれぞれのその後については、ボーカルの上峰芹、ドラムの早灘圭志の活動は不明瞭だが、上野幸司はGRAND COLOR STONEのメンバーとして活動した過去を持ち、脇田啓行は、活動休止後、New Cinema 蜥蜴、ELFといったバンドに参加していたことが分かっている。

GRASS ARC.は、短い活動期間にも関わらず、多くのファンに強い印象を残したバンドである。彼らの音楽、そして活動休止に至るまでの経緯は、多くの謎と憶測を残したまま、今も語り継がれている。彼らが残した音楽は、現在も多くのファンに愛され続けている。

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