GSh-30-1 (機関砲)

GSh-30-1航空機関砲の概要

GSh-30-1（ロシア語: ГШ-30-1）は、1980年代初頭に旧ソビエト連邦で設計された航空機関砲であり、ロシア連邦国防省ロケット・砲兵総局（GRAU）によって9A-4071Kという名称でも知られています。この砲は航空機に搭載されることを目的としており、特に攻撃や防空任務においてその性能が求められています。

特徴

GSh-30-1は30mmの口径を持ち、古典的な単砲身反動利用式の設計がされています。これは、リヴォルヴァーカノンやガトリング砲に比べて、より簡素なメカニズムで構成されています。本体の重量はわずか50kgと比較的軽量であり、西側諸国の軍用機に搭載される航空機関砲の中では特に注目される点です。

この砲の開発はKBP精密機器設計局が担当し、イジェフスク機械製作工場での生産が行われています。使用される弾薬は30x165mmであり、様々なタイプの弾薬が存在します。例えば、9-A-4002焼夷榴弾や9-A-4511徹甲曳光弾などがあり、給弾には鋼製の9-N-623ベルトリンクが利用されています。

有効射程は空中目標に対しては200-800m、地上目標に対しては1,200-1,800mとされています。

点火メカニズム

発射時の雷管点火には電気が使用され、27Vの電圧が遠隔操作で供給されます。また、不発弾に備えて、追加の9-EM-623点火機構も装備されています。この機構では、不発となった弾薬の薬莢に小型の爆発ボルトを側面から挿入し、薬莢内に燃焼ガスを流し込んで装薬を強制的に発火させることができます。

発射速度と冷却システム

発射速度は最大で1,800発/分に達し、非常に高い発射頻度を誇ります。これに伴う砲身の劣化や過熱による暴発を防ぐため、水冷式の設計が採用されています。砲身は円筒形の水タンクで覆われており、その体積は700cm3です。発砲時に気化した冷却水は、砲身周囲の螺旋状の溝を流れ、効果的に冷却を行った後に放出されます。このような水冷システムは、GSh-30-1がロシアで初めての量産機関砲としての重要な特徴でもあります。

搭載機

GSh-30-1は1980年代からソビエト連邦軍およびロシア連邦軍の標準的な航空機関砲として使用されており、以下の主な軍用機に搭載されています：

• - Su-27、Su-27M、Su-30、Su-33、Su-35、Su-37 右主翼基部に1基（搭載弾数：150発）
• - Su-34 右主翼基部に1基（搭載弾数：180発）
• - Su-57 右ストレーキ近傍に1基（搭載弾数：150発）

さらに、Su-57のために近代化型9A1-4071Kが開発中であり、任意のモードで弾薬容量を最大限に活用できる設計が進められています。

• - MiG-29、MiG-29K 左主翼基部に1基（搭載弾数：150発。MiG-29Kは100発）
• - Yak-141 機体下面中央部に1基（搭載弾数：120発）

また、SPPU-687ガンポッド（9A-4273）にも、可動式の1丁が装備されています。これらの特長から、GSh-30-1は多くの現代航空機に不可欠な存在となっています。

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