リヴォルヴァーカノン

リボルバーカノンについて

リボルバーカノンは、一本の砲身に対して複数の薬室が円周上に配置されており、これを回転させて連続的に発射を行う機構を持つ機関砲です。この構造は、リボルバー式の拳銃と似ていますが、リボルバーカノンでは薬室が弾倉を兼ねているわけではなく、発砲前に外部の弾倉から薬室に弾を装填することで持続的な射撃を可能としています。

特徴と利点

リボルバーカノンの大きな利点は、高い発射速度を実現できることです。これは、従来の遊底往復式機構を持つ銃器に比べて特に顕著です。また、ガトリング方式の機関砲とも比較されますが、リボルバーカノンは作動を開始してから初めて弾を発射するまでの時間が短いため、航空機でのドッグファイトにおいて非常に優れた性能を発揮します。

特に、現代の戦闘機同士の空中戦では、1秒未満のインターバルで射撃を行う必要があるため、リボルバーカノンはその瞬時性においてガトリング方式の火砲よりも優位性があります。また、この機関砲はその構造から軽量かつコンパクトな設計が可能で、大口径化や携行弾数の増加が容易です。さらには、メンテナンスも簡単でコストが低く、自力駆動が可能というメリットもあります。

構造的には、装弾口を砲身とは異なる軸線上に設けることができるため、テレスコープ弾との相性も良好です。回転式の薬室は前後どちらからでも装填できる設計がされているので、テレスコープ弾を用いることで火砲全体の長さを短縮することができます。主にガス圧作動方式が採用されているため、運用の幅も広がっています。

また、ドイツのラインメタル社では、リボルバーカノンの利点を活かして、燃焼式薬莢を用いた無反動機関砲RMK30の試作が行われました。この試作は、攻撃ヘリコプターや装甲車両、艦艇にも搭載され、実際の射撃試験においてその有効性が試されていますが、いくつかの課題も抱えており、実用化には至りませんでした。

欠点と課題

ただし、リボルバーカノンには欠点も存在します。まず、薬室が複数あるため、機関部が太く、砲塔の内部空間を圧迫することがあり、搭載が難しい場合もあります。また、地対地戦闘では発射速度が過剰であるため、メリットが薄れることもあります。実際、装甲戦闘車両への導入例はほとんど見られません。航空機においても、発射速度や弾幕展開能力ではガトリング方式にはかなわないため、場合によっては銃を2門装備することでその劣位を補うこともあります。

それに加え、高発射速度の自力駆動式機関砲には不発や遅発があると作動不良を引き起こす可能性が高く、これが航空機にとっては致命的なリスクを伴います。マウザーBK-27では、電気系統をチェックする弾丸型の検査装置を導入し、頻繁な検査を行えるような工夫もされています。また、構造上、銃身と回転する多薬室の間に隙間があるため、高温・高圧の発射ガスがそこから漏れ、エネルギーロスが生じることもあります。

歴史

リボルバーカノンという名称は、第二次世界大戦末期にナチス・ドイツのマウザー社が開発したMG 213機関砲に由来しています。当該のMG213は実用化されることはありませんでしたが、その性能は当時としては画期的なものであり、西側諸国はその試作や図面を回収し、新型航空機関砲の設計の基礎としました。このため、後に開発されたリボルバーカノン方式の航空機関砲は、ほとんどがMG213を元にしたものとなります。

例えば、朝鮮戦争後、アメリカ空軍が採用していたM39はMG213をコピーしたものであり、フランスの30mm DEFA砲やイギリスの30mm ADEN砲も同様の経緯を辿っています。また、トーネードやユーロファイターに搭載されるマウザーBK-27は、MG213を基にした27mmリボルバーカノンであり、給弾方式が改良されています。

さらに、スイスのエリコン社が開発したエリコンKCA 30mmリボルバーカノンや、フランスのラファール戦闘機用に設計された30 M 791(DEFA 791)も、MG213を参考にしつつ独自の改良が施されている機関砲です。

このように、リボルバーカノンは航空機兵器として重要な役割を果たし続け、今後の発展が期待される技術領域の一つです。

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