GWAVE

GWAVE：アダルト美少女ゲーム音楽史に名を刻んだコンピレーションアルバム

2003年12月から2016年12月まで、アダルト美少女ゲームの主題歌を集めたコンピレーションアルバムシリーズ『GWAVE』（ジーウェイブ）が発売されていました。アニメ制作会社である株式会社スタジオディーンが販売・発売元を務めていたこのシリーズは、プロデューサー加藤義治氏の「美少女ゲームの音楽が好きだった」という情熱から生まれました。

当時、アダルト美少女ゲームの主題歌に特化したコンピレーションアルバムはほとんど存在せず、『GWAVE』は類を見ない存在でした。その斬新さとクオリティの高さが相まって人気シリーズとなり、長期にわたって愛され続けました。

多様な展開：シリーズとブランドの設立

『GWAVE』シリーズは、1年を上半期と下半期に分け、それぞれの期間に発売された美少女ゲームの主題歌を収録していました。ジャケットイラストは、美少女ゲームの原画家が担当し、魅力的な少女たちが描かれていました。

さらに、発売時期を問わず、ブランドや歌手ごとに主題歌をまとめた『GWAVE Super Feature's』シリーズも展開。また、「オタクな電気街らしい内容」と「新しい出会いのある音楽CD」をテーマにした『電気街おみやげシリーズ』も誕生し、オリジナル楽曲中心のテクノアレンジが特徴的な、アッパーテンポな作品群が多数収録されました。この『電気街おみやげシリーズ』の作品は、『GWAVE Super Feature's』シリーズの一部としてナンバリングされていました。

多くのアルバムには初回限定盤が存在し、テレカが特典として付属していました。テレカには、ジャケットイラストとは異なる、新規描き下ろしイラストが使用されていました。

販売元は、当初株式会社イマ・エンターテイメント、その後株式会社ソル・インターナショナルを経て、最終的にはスタジオディーンへと移行しました。

販売休止と謎の残る終焉

『GWAVE』シリーズは、2003年12月29日に発売された「GWAVE 2003 1st Beat」を皮切りに、毎年2枚のアルバムをリリースしていました。しかし、2016年12月29日に発売された「GWAVE 2016 1st advance」を最後に、突如として販売が休止されました。

この販売休止について、公式な発表は一切ありませんでした。ユーザーからの問い合わせには、回答を回避するような返答がなされたことが、Twitter上で報告されています。公式サイトにも、販売休止に関する情報は一切掲載されませんでした。

その後、公式サイトは長らくアクセス可能でしたが、2020年1月以降アクセス不可能となり、事実上の音楽事業からの撤退を示唆しています。

後継シリーズと『GWAVE』の遺産

『GWAVE』シリーズの販売休止後、株式会社ハブロッツが「Symphony Sounds」というコンピレーションアルバムシリーズを展開開始しました。これは『GWAVE』と同様のコンセプトを持つシリーズですが、1年単位でのリリースとなっており、リリース間隔も『GWAVE』に比べて長くなっています。

『GWAVE』シリーズは、多くのファンに愛された、アダルト美少女ゲーム音楽シーンにおける重要なシリーズでした。その突然の終焉は、多くの謎を残したままですが、その存在は、美少女ゲーム音楽の歴史に深く刻まれています。 様々な展開、謎めいた終焉、そして後継シリーズの登場。 『GWAVE』は、これからも語り継がれるべき、記憶に残るシリーズと言えるでしょう。

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