Game Walker

『Game Walker』（ゲームウォーカー）は、かつて角川書店から刊行されていた総合ゲーム雑誌です。

創刊の背景

1992年、角川書店は「お家騒動」によるメディアワークスの分離独立、そして翌年の代表取締役社長・角川春樹の麻薬取締法違反による逮捕という、かつてない危機に直面していました。この状況を打開するため、1994年からメディアワークスとの関係修復に着手し、同時に競合するゲーム雑誌の整理・統廃合を進めました。

この再編の中で、機種別に分散していたゲーム雑誌を総合誌に集約し、年齢層別に再編することで、電撃系各誌との競合を避ける戦略が採用されました。その結果、『マル勝PCエンジン』（「勝」を○で囲むのが正確な表記）は休刊、『マル勝スーパーファミコン』は小中学生向けの総合誌『マル勝ゲーム少年』としてリニューアルされました。

そして、1994年末の次世代ゲーム機ラッシュに対応するため、より高年齢層をターゲットとしたゲーム雑誌を創刊することになり、同年11月に『Game Walker』が誕生しました。当時、ゲームの中心購買層は、それまでの低年齢層から、成長した「ファミコン世代」へと移行していました。

特徴と終焉

『Game Walker』は、メーカーからの広告宣伝費に依存する傾向が強い当時のゲーム雑誌の中で、業界の問題点に対して正面から意見を述べる記事が多かったことが特徴でした。メーカーにとって不都合な情報も積極的に取り上げる姿勢は、他のゲーム雑誌とは一線を画していました。

しかし、ゲーム市場全体の低迷という波には逆らえず、2000年8月号をもって休刊となりました。独自の視点と硬派な姿勢で一定の評価を得ていたものの、時代の変化とともにその役割を終えることになったのです。

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