GAUCHE

南野陽子7枚目のアルバム『GAUCHE』：地中海を彩る、等身大の表現

1989年7月12日、南野陽子の7枚目のオリジナルアルバム『GAUCHE』（ゴーシュ）がCBS・ソニーより発売されました。前作『SNOWFLAKES』がコンセプトアルバムだったため、オリジナルアルバムとしては、1988年夏にリリースされた『GLOBAL』以来、約1年ぶりの作品となります。

アルバムタイトル『GAUCHE』はフランス語で「不器用」「世渡り下手」を意味する言葉です。このタイトルが示すように、本作は南野陽子の等身大の姿を映し出した、飾らない魅力あふれる作品となっています。

シングル曲と未収録楽曲

アルバムには、先行リリースされた15枚目のシングル「トラブル・メーカー」が収録されています。一方、13枚目のシングル「秋からも、そばにいて」、14枚目のシングル「涙はどこへいったの」、そして「トラブル・メーカー」との両A面シングル「瞳のなかの未来」は、本作には収録されていません。

南野陽子作詞楽曲の初収録

『GAUCHE』の特徴として、南野陽子自身の作詞楽曲が初めて収録されている点が挙げられます。彼女自身の感性と経験が織り込まれた歌詞は、聴く者に深い共感を呼び起こします。また、12曲目「思いのままに」は、翌年夏に発売された19枚目のシングル「耳をすましてごらん」のカップリング曲として新録バージョンがリリースされました。

ギリシャ・ミコノス島での撮影

アルバムジャケットと、初回生産限定盤に付属していた52ページの写真集は、ギリシャのミコノス島で撮影されました。美しいエーゲ海の風景と南野陽子の姿が融合した、見事な作品となっています。LP、CT、CDの3形態すべてでジャケット写真が異なっており、それぞれのフォーマットで異なる魅力を楽しめます。

このミコノス島での撮影は、1989年3月23日に放送された『ザ・ベストテン』でも取り上げられました。南野陽子は衛星回線を通じてミコノス島から生出演し、「涙はどこへいったの」を披露しました。

アルバムの構成と形態

『GAUCHE』は、CD、LP、カセットテープの3形態で発売されました。CDの初回生産分には、スーパーピクチャーCDレーベルと52ページにわたる写真集が同梱され、コレクターアイテムとしても高い価値を誇ります。

『GAUCHE』は、南野陽子の音楽的成長と、彼女自身の内面を映し出した、聴き応えのある一枚です。美しいメロディーと、心に響く歌詞、そして豪華な写真集と、様々な角度から楽しめる作品となっています。シングルカットされなかった楽曲も含まれており、アルバムとして完成度の高い作品に仕上がっていると言えるでしょう。 音楽史における1989年の作品として、そして南野陽子というアーティストの軌跡において重要な位置を占めるアルバムと言えるでしょう。

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