Good morning (エレファントカシマシのアルバム)

エレファントカシマシ 『good morning』(2000)

エレファントカシマシの『good morning』は、2000年4月26日に東芝EMI/FAITHFUL.からリリースされた11枚目のオリジナルアルバムです。前作から1年4ヶ月ぶり、東芝EMI移籍後初のアルバムとして発売されました。2013年にはSHM-CD仕様の期間生産限定盤も発売されています。

概要

本作は、宮本浩次が打ち込みを多用したことで、メンバーがスタジオ入りする前にほぼ全てのパートを一人で完成させた楽曲が多数存在します。具体的には、「眠れない夜」「ゴッドファーザー」「good morning」「精神暗黒街」「I am happy」の5曲が該当します。メンバーはライブでの演奏のみ参加することとなり、事前にメンバーの承諾を得ています。この打ち込みを多用した作風は、当時の宮本が好んで聴いていたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやナイン・インチ・ネイルズからの影響を受けています。

デモテープは前作に続きカセットMTRとリズムマシンで制作されました。レコーディングには初めてPro Toolsが使用されました。「デモテープのような荒々しい音にしたい」という宮本の要望から、ギターの音をラジカセで再生して録音したり、石森敏行所有のTASCAM 8chカセットMTRをアウトボードとして使用するなどの工夫が凝らされています。リズムマシンのメイン機材は宮本所有のYAMAHA RY-10です。

収録曲について

全作詞・作曲・編曲：宮本浩次

1. ガストロンジャー: (編曲：宮本浩次・根岸孝旨) 21stシングル。本作で唯一メンバー全員がレコーディングに参加しています。
2. 眠れない夜
3. ゴッドファーザー
4. good morning
5. 武蔵野: 23rdシングルC/W曲。シングル版とは異なり、ギター・レコーディングで石森が参加しています。5曲目と6曲目の間には、通常入る無音ではなく電子音が約40秒収録されています。この電子音は配信音源には未収録で、ベスト盤『EMI 胎動記』ではCD・配信共に収録されています。
6. 精神暗黒街
7. 情熱の揺れるまなざし: ベースは高緑成治が演奏しています。
8. I am happy
9. 生存者は今日も笑う: ドラムは打ち込みではなく、冨永義之が演奏しています。
10. so many people(good morningヴァージョン): 22ndシングルのアルバムバージョン。高緑が原曲と同じくベースを演奏していますが、リズムは打ち込みでギターも差し替えられています。歌詞（コーラス部分）も一部異なっています。
11. Ladies and Gentlemen: 歌詞は非常に短く、エコーがかかっています。次曲「コール アンド レスポンス」の間奏曲のような位置づけで、ベスト盤『EMI 胎動記』にも本曲と「コール アンド レスポンス」が連続して収録されています。元々は事前に発表した曲数にレパートリーが足りなかったことから、急遽加えられたものです。
12. コール アンド レスポンス: 23rdシングル。シングルとはミックスが異なり、石森もギターを演奏しています。

『good morning』は、エレファントカシマシの音楽性を新たな方向に押し広げた、実験精神に満ちたアルバムと言えるでしょう。

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