Good time (ASKAの曲)

good time

楽曲概要

「good time」は、ASKAが2000年7月12日にリリースした、ソロキャリアにおいて8作目にあたるシングル楽曲です。この作品から、ASKAのシングルは従来の8cmシングルから12cmのマキシシングルへと形態を改めました。また、発売元もヤマハミュージックコミュニケーションズからとなりました。

特筆すべき点として、この「good time」はASKAが作詞・作曲者名として使用していた「飛鳥涼」名義で発表された最後のシングルにあたります。翌年以降、作詞・作曲者名義はすべて「ASKA」に統一されることになります。

制作背景とリリース当時の活動

2000年、ASKAはソロアルバムの制作に取り組んでいましたが、制作作業の遅延や、CHAGE and ASKAとして韓国・ソウルでの親善コンサート開催が決定したことなど、複数の要因が重なった結果、ソロアルバムの制作は一時的に中止されました。そうした状況下で、このシングル「good time」が発表されたという背景があります。

シングルのリリース後、同年10月からは全国コンサートツアー『ASKA CONCERT TOUR GOOD TIME』が開催されました。タイトルの通り、この楽曲がツアーの核となり、ライブの主要な場面で披露されました。

収録内容と楽曲詳細

シングルには表題曲を含む、以下の3つのトラックが収録されています。

good time

表題曲「good time」は、ASKA自身が出演した日本電気（NEC）のCMソングとしてオンエアされたほか、日本テレビ系のドキュメンタリー番組『知ってるつもり?!』のエンディングテーマとしても起用され、テレビを通じて多くの人々に届けられました。

ソロシングルとしては、名曲「はじまりはいつも雨」以来、久々に発表されたバラード楽曲です。ASKAは制作にあたり、「これまでの自分のバラードとは違う、新たな表現のバラードにしたい」という強いこだわりを持って臨んだとされています。

サウンド面での重要な特徴として、「good time」はASKAが単独で編曲を手掛けた最初の楽曲である点が挙げられます。自身で作曲だけでなく編曲まで手掛けることで、より自身の音楽的な世界観を深く追求しようとする意欲が感じられる一曲となっています。

judge by myself

カップリングに収録された「judge by myself」は、リリース当時の社会情勢を反映するかのように、インターネット社会を題材にした楽曲です。情報過多な現代における個人の判断や価値観を歌った意欲的な作品ですが、この楽曲は2023年現在においても、ASKAのオリジナルアルバムやこれまでのベストアルバムには一度も収録されていません。

good life (instrumental featuring "good time")

もう一つのカップリング曲「good life (instrumental featuring "good time")」は、表題曲「good time」のメロディーを基調としたインストゥルメンタル・バージョンです。単なる伴奏バージョンにとどまらず、独自のサウンドアレンジが施されています。このインストゥルメンタルは、前述のコンサートツアー『ASKA CONCERT TOUR GOOD TIME』において、ライブのオープニングを飾るテーマ曲として使用され、会場を盛り上げました。このバージョンも「judge by myself」と同様に、現時点ではどのアルバムにも未収録となっています。

アルバム収録状況

表題曲「good time」は、シングルのリリース後、いくつかのアルバムに収録されています。

国内盤のソロアルバムとしては、2005年に発表された『SCENE III』に、シングルバージョンとは異なるアルバム・ミックスとして収録されており、同アルバムの1曲目を飾っています。また、海外向けにリリースされたベストアルバム『Asian Communications Best』にも収録されています。

一方、カップリングに収録された「judge by myself」と「good life (instrumental featuring "good time")」の2曲は、現在のところシングル盤以外では公式な形で音源化されていません。これらの楽曲を聴くためには、リリース当時のマキシシングルを入手する必要があります。

「good time」シングルは、ASKAのソロ活動における節目の時期に発表された作品であり、新たな表現への挑戦や、当時の彼の音楽活動の一端を知ることができる、ファンにとって重要なアイテムの一つと言えるでしょう。

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