GUID

GUID (グローバル一意識別子) について



GUID（Globally Unique Identifier、グローバル一意識別子）は、UUID（Universally Unique Identifier、汎用一意識別子）の実装の一つ、または事実上その別名として扱われることが多い識別子です。UUIDは、ソフトウェア開発において、オブジェクトやプロジェクトを他と区別するための一意な識別子として広く利用されています。特に、マイクロソフトの環境でのUUIDの実装を指す場合によく「GUID」という用語が使われます。

しかし、GUIDはマイクロソフトの技術に限らず、オラクルのデータベースやNetIQのeDirectory（ディレクトリサービス）、GUIDパーティションテーブルなど、幅広いシステムでUUIDと同様の意味で利用されています。つまり、GUIDとUUIDは、ほぼ同義の用語として、互換性を持って使われることが一般的です。

GUIDの生成



GUIDは、様々なツールやAPIを用いて生成できます。例えば、Microsoft Windows SDKには、`GuidGen`というツールが付属しており、GUIDの生成に利用できます。`GuidGen`は、Microsoft Visual Studioのメニューからも呼び出すことが可能です。また、Windows APIには、`CoCreateGuid()`関数や`UuidCreate()`関数が用意されており、これらを利用してプログラムからGUIDを生成できます。さらに、.NET Frameworkでは、`System.Guid.NewGuid()`メソッドを使用することで、簡単にGUIDを生成できます。

GUIDの構造



GUIDは、16バイト（128ビット）のバイナリデータで、内部的には以下のような構造体で表現されます。


GUID STRUCT
Data1 dd
Data2 dw
Data3 dw
Data4 db 8
GUID ENDS


この構造体は、C言語のヘッダーファイルである``で定義されています。`Data1`は32ビットのデータ、`Data2`と`Data3`は16ビットのデータ、`Data4`は8バイト（64ビット）のデータで構成されています。Windows環境では、short型は常に16ビット、long型は常に32ビットで表現されるため、この構造体は異なるプラットフォームでも一貫して同じサイズを持ちます。

GUIDのテキスト表記



一般的に、GUIDは16進数表記を用いて表現されます。標準的な表記形式は以下の通りです。


3F2504E0-4F89-11D3-9A0C-0305E82C3301


この表記は、以下のような構造を持っています。

  • - `Data1`：8桁の16進数（例：3F2504E0）
  • - ハイフン（-）
  • - `Data2`：4桁の16進数（例：4F89）
  • - ハイフン（-）
  • - `Data3`：4桁の16進数（例：11D3）
  • - ハイフン（-）
  • - `Data4`の最初の2アイテム：4桁の16進数（例：9A0C）
  • - ハイフン（-）
  • - `Data4`の残りの6アイテム：12桁の16進数（例：0305E82C3301）

また、GUIDは波括弧（ブレース）で囲んで表現されることもあります。


{3F2504E0-4F89-11D3-9A0C-0305E82C3301}


GUIDの利用例



GUIDは、様々な場面で一意の識別子として利用されています。代表的な例として、以下のようなものがあります。


これらの使用例からわかるように、GUIDはソフトウェア開発において、オブジェクトやプロジェクトの識別子として不可欠な役割を果たしています。これにより、異なるシステム間でオブジェクトやプロジェクトを安全に共有したり、区別したりすることが可能になります。

まとめ



GUID（グローバル一意識別子）は、UUIDの実装の一種であり、一意の識別子が必要な多くの場面で利用されています。その構造、テキスト表記、生成方法を理解することで、より効果的にソフトウェア開発に活用できます。特に、マイクロソフトの環境で開発を行う際には、GUIDに関する知識は非常に重要です。

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