H&K VP9

H&K VP9/SFP9 - 概要と特性

H&K VP9（ヨーロッパやカナダではSFP9として知られる）は、ドイツの著名な銃器メーカー、H&K社によって2014年に開発・製造が開始された自動拳[[銃]]です。VP9の設計は、現代的な技術を取り入れた非常に高性能なものであり、多くの法執行機関や軍隊に採用されています。

特徴と機能

VP9/SFP9の作動方式は、「ティルトバレル式ショートリコイル」と呼ばれるもので、これは銃身が弾丸を発射した際に僅かに傾いて反動を吸収するシステムです。さらに、グロック17に似たポリマー製フレームやストライカー撃発方式を採用しており、軽量で耐久性があります。

スライド後部にはコッキング状態を視覚的に確認できるインジケーターがあり、ファイアリングピンが可視化されることで、現在のコッキング状態を簡単に確認できます。この機能により使用者は、装弾されているかどうかの判断を迅速に行えます。薬室に弾薬が装填されている時には、エキストラクターが赤く表示されるため、より安全性が高まります。

また、セイフティ機構として、トリガーセイフティ及びファイアリングピンセイフティが装備されており、不意の発射を防ぐ設計となっています。トリガーガードの側面には、パドル型またはボタン型のマグキャッチが配置されており、使用者は左右の手から容易に操作可能です。スライドキャッチも同様に両側に位置しており、操作のしやすさが際立っています。

VP9とH&K P30はフレームやスライドの形状が似ており、P30用の弾倉も使用することができます。バックストラップやグリップパネルを交換可能なため、使用者の手に合わせた調整が可能で、ピカティニー・レールにより各種アクセサリーの取り付けも簡単です。

バリエーション

VP9/SFP9には、さまざまなモデルがあります。特に以下のようなバリエーションが存在します：

• - SFP9：標準モデルで、トリガーストロークが短くトリガープルが軽め。法執行機関向けにはトリガーストロークが長め、トリガープルが重めのモデルもあります。
• - SFP9 M：海軍向けに特化したモデルで、耐塩水コーティングが施されています。
• - SFP9 L：ロングスライドモデルで、より高い精度を提供します。
• - SFP9 SK：コンパクト設計で、携帯性に優れています。
• - VP9：アメリカ市場向けに調整されたモデルで、強装弾への対応能力があります。

採用国と運用状況

VP9/SFP9は、必要とされる国々の警察や軍に採用されており、その中にはドイツの連邦警察、陸上自衛隊、アメリカ合衆国の各警察機関が含まれます。ドイツ陸軍の特殊部隊KSKや海軍の特殊部隊もこの銃を使用しており、さまざまな任務をこなしています。

特に日本の陸上自衛隊は、2020年からSFP9の調達を開始し、323丁が購入されるなど、その導入が進められています。防衛省の選定では、性能や経費の面で最も高い評価を受け、今後1万4000丁の調達が計画されています。また、2021年の東京オリンピックに向けて2,000丁の調達も行われ、加えて各地の警護活動でも使用されています。

まとめ

H&K VP9/SFP9は、その高い信頼性と性能から、多くの法執行機関や軍に支持されている銃器です。今後もその進化と利用が期待されており、各国におけるセキュリティの強化に寄与することでしょう。

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