H.o.p.s.

GOING UNDER GROUNDの『h.o.p.s.』は、2005年2月9日にビクターエンタテインメント傘下のHAPPYHOUSEレーベルからリリースされた、メジャー4枚目、通算7枚目のオリジナルアルバムです。

"h.o.p.s."は"hearts only pure string"の略で、これは『かよわきエナジー』以来となるセルフプロデュース作品（9曲目の「サンキュー」のみ上田ケンジとの共同プロデュース）であることを示しています。初回盤はCD-EXTRA仕様で、「サンキュー」と「同じ月を見てた」のビデオクリップが収録されています。

このアルバムは、完全限定生産シングル「アゲハ」と同日に発売され、両作品には背景色違いの同じメンバー写真が使用されました。

『h.o.p.s.』のリリース後、2005年3月20日から7月3日にかけて、全24公演にわたるリリースツアー「GOING UNDER GROUND tour “h.o.p.s.”」が開催されました。ツアーファイナルは、バンドとして初となる日比谷野外大音楽堂でのソロ公演となり、大きな話題を呼びました。

音楽ライターの上野三樹氏は、リリース資料で"h.o.p.s."が"hearts only pure string（琴線）"の略であることを引き合いに出し、「そこに触れる楽しさも涙も痛みも喜びもハイブリッドに詰め込んだ今作。その全ては明日を形作るエネルギーだ。何度も震えながら、何度もガッツ・ポーズしながら、聴いてもらえる名盤が生まれた」と評しています。ボーカルの松本素生氏も、2020年の15周年記念ライブで「キャリアの中でも、心技体が揃った素晴らしいアルバム」と振り返っています。

収録曲は以下の通りです。

1. fire grow (インストゥルメンタル)
2. ロール アンド ロール
3. アゲハ
4. サイドカー
5. 恋のナビゲーション
6. あすなろ
7. 同じ月を見てた
8. TENDER
9. サンキュー
10. 東京
11. サムネイル

楽曲解説

fire grow: インストゥルメンタル曲。
アゲハ: 同日発売のシングル「アゲハ」に収録されている「アゲハ（alternate version アゲハとトカゲ）」とはバージョンが異なり、アルバムバージョンは全編を松本氏が歌唱しています。
サイドカー: 松本氏、中澤氏、河野氏によるスリーボーカル曲。歌詞カードには各パートを区別する記号が記載されています。
恋のナビゲーション: 中澤氏がボーカルを担当。ボコーダーを使用した石原氏の声もフィーチャーされています。
あすなろ: 伊藤氏がグロッケンシュピールを演奏しています。
東京: 様々なアーティストの「東京」をテーマにした楽曲を集めたコンピレーションアルバム『東京こんぴ』にも収録。後に2011年のシングル「愛なんて」には新録バージョン「東京 2011」が収録されました。松本氏は同曲について、「GOING UNDER GROUNDというバンドの魂」であり、「当時シングルとして出すべきだった」と語っています。

アルバムには、山岡恭子氏がコーラスとして参加（「東京」）。また、関連書籍としてバンドスコアも発売されています。

『h.o.p.s.』は、GOING UNDER GROUNDの音楽的な進化と、バンドとしての結束力を感じさせる、重要な作品と言えるでしょう。

もう一度検索