HARMONIUM

アルバム『HARMONIUM』について

『HARMONIUM』は高橋洋子による7枚目のオリジナル・アルバムで、1999年3月17日にポリドールからリリースされました。このアルバムは、前作『BEST PIECES II』からわずか1ヶ月後に登場し、オリジナルアルバムとしては『Li-La』以来1年2ヶ月ぶりの作品となります。ポリドールへの移籍後、初めてリリースされたアルバムであり、ポリドールから出された唯一のオリジナルアルバムです。

このアルバムには「心に優しく響く全14曲収録 安らぎのハーモニー 愛を込めたヒーリングポップス」といったキャッチコピーも付けられています。収録楽曲は、新曲7曲、既存曲1曲、アレンジ楽曲4曲、カバー曲2曲で構成されています。バラエティに富んだ内容になっており、リスナーに豊かな音楽体験を提供します。

楽曲解説

アルバムの2曲目「WE'RE THE ONE」では、特別にアレンジされたイントロが印象的です。また、アルバムの1曲目のアウトロと、この曲のイントロはスムーズに繋がりを持っています。4曲目の「HARMONY」では、鳥のさえずりが背景に追加されており、非常に自然な雰囲気で聴くことができます。

6曲目「WATASHI WO MITSUKETE」は、9thシングル「私をみつけて」をアレンジした楽曲で、アレンジの際に新たな表情を加えられています。7曲目「FROM A DISTANCE」はアメリカのシンガーソングライター、ジュリー・ゴールドの楽曲をカバーしたものです。このカバーは原曲のエッセンスを大切にしつつ、高橋の声による新たな解釈がなされています。

10曲目「WINGS OF LOVE」は、TBS系列の番組『世界ウルルン滞在記』で使用されたBGMに英詞を当てた楽曲であり、視聴者にとっては懐かしさを感じるかもしれません。11曲目の「A BIRTH」は、イタリアの歌手ラウラ・パウジーニの楽曲をカバーしたもので、原題は「Le cose che vivi」と言います。この曲のメッセージや感情もまた、高橋の表現によって新たに引き出されています。

アルバムの中で特に興味深いのは、12曲目「CRESCENT MOON」です。この楽曲は1998年にNHKの『みんなのうた』で放送された「月の風船」の英語歌詞版です。新しい視点で聴くことができるこの曲は、オリジナル版からの進化を示しています。最後に、13曲目「SLEEPING FOREST」については、ブックレットに歌詞が掲載されておらず、その理由は公表されていませんが、神秘的な雰囲気が逆に想像力を掻き立てます。

まとめ

このように『HARMONIUM』は、高橋洋子の多才な音楽表現が凝縮された、実験的でかつ心を癒すポップスといえる作品です。新旧の楽曲を巧みに融合させたそのスタイルは、彼女の魅力を最大限に引き出し、リスナーに深い感動を与えます。聴くたびに新たな発見があり、何度でも楽しむことができるアルバムです。

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