HERO (Mr.Childrenの曲)

シングル『HERO』の詳細

日本の有名バンド、Mr.Childrenのシングル『HERO』は、彼らの24枚目のリリースであり、2002年12月11日にトイズファクトリーから発売されました。この曲は、初回限定盤と通常盤の2種類の形態でリリースされ、初回限定版は飛び出す絵本のようなユニークなデザインが施されています。これは、ボーカルの桜井和寿が小脳梗塞から回復した後に発表されたもので、前作からわずか5ヶ月後のリリースとあって、多くのファンから高い期待を寄せられていました。

チャート成績

『HERO』はオリコンチャートで32週にわたりランクインし、2003年度オリコン年間シングルランキングでは9位に入るなど、非常に良好な成績を収めました。これはMr.Childrenにとって、6年ぶりの年間TOP10入りだったこともあり、特に印象深い出来事の一つです。初週には31.5万枚を売り上げ、最終的には累計55.3万枚という輝かしい数字を記録しました。

楽曲について

『HERO』

この楽曲は、NTTドコモのキャンペーンソングとしても知られています。桜井は、アメリカ同時多発テロ事件を受けて、より身近なヒーローについて考え、小さな子供を遊ばせる親の姿こそがその子供にとっての真のヒーローであると感じたことで、この曲が生まれました。歌詞は親の視点で描かれており、非常に感情豊かな内容となっています。実際、桜井は「IT'S A WONDERFUL WORLD」というアルバム制作中からアイデアがあったものの、歌い手の顔が見えない作品にしたかったため、HEROは別のシングルとして発表されることになりました。

特に印象的なのは、ラスサビ前に挿入された歌詞が、彼の病気から復帰後に書かれたという点です。レコーディングは休止中の9月中に行われましたが、彼の良好なコンディションとともに「ぜひレコーディングしたい」という気持ちが強かったことが分かります。小林武史は、サビをファルセットで歌い上げる桜井の姿に感動し、心を打たれたと証言しています。

また、ミュージック・ビデオはMr.Childrenとして初めてのクレイアニメで制作され、村田朋泰が監督を務めました。このアニメは高い評価を受け、2003年のSPACE SHOWER Music Video Awardsで「BEST ANIMATION VIDEO」を受賞しました。さらに、この曲はライブ映像作品として様々なアルバムに収録されており、多くのファンに愛されています。

『空風の帰り道』

このシングルにはもう一つの収録曲『空風の帰り道』も含まれています。この楽曲は、桜井が療養中に書いたもので、彼女と過ごす瞬間が短く感じ、一人での帰り道が長く感じるという心情が描かれています。彼は高校時代の思い出を思い出しながら、歌詞を紡いだと語っています。また、この曲には社会への思いも込められていて、感謝の気持ちが悲しみを和らげることを願って書かれたものです。

テレビ出演とカバー

リリース当初、桜井は病気からの復帰直後だったため、初期のテレビ出演はありませんでした。しかし、2008年には『FNS歌謡祭』で演奏し、ファンの前に姿を現しました。さらに、HEROのカバーも数多く存在し、Bank Bandや小田和正によるカバーが波及するなど、多くのアーティストに影響を与える楽曲となっています。

このように『HERO』は、Mr.Childrenにとって特別な一曲であり、彼らの音楽キャリアにおいて重要な位置を占める作品です。その感動的な歌詞とメロディーは、世代を超えて愛され続けています。

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