HIRAMEKI

La'cryma Christi 13th Single「HIRAMEKI」

日本のヴィジュアル系ロックバンドとして知られるLa'cryma Christiが、通算13枚目となるシングルとしてリリースしたのが「HIRAMEKI」（ひらめき）です。このシングルは、2002年12月4日に発売されました。彼らのキャリア中期において発表された本作は、バンドの音楽性を広げる試みの一方で、商業的な面では一つの記録を残すこととなりました。

作品の背景と特徴

表題曲である「HIRAMEKI」は、リリース当時に放送されていたテレビ番組「そんな所で…」のエンディングテーマとして採用されました。テレビ番組のタイアップは、楽曲がより多くの人々の耳に触れる機会を生み出し、バンドの認知度を高める上で重要な役割を果たします。この楽曲も、そのタイアップを通じて広くリスナーに届けられました。

また、シングルのプロモーションツールの一つであるミュージックビデオ（PV）は、バンドがこれまでに実施した複数のツアーにおけるライブパフォーマンス映像を編集して制作されています。臨場感あふれるライブの雰囲気を伝える内容となっていますが、収録されているのはあくまで編集版であり、各ツアーの完全なライブ映像ではありません。

商業的な側面

「HIRAMEKI」は、商業的には厳しい結果に直面しました。オリコンチャートにおけるシングル売上枚数は、La'cryma Christiがメジャーデビューを果たして以来、最も低い記録を更新する形となりました。この事実は、当時の音楽市場の動向、リスナーの嗜好の変化、プロモーション戦略、あるいはバンド自身の置かれた状況など、様々な要因が複合的に影響した結果と考えられます。売上という数字が作品の全てを物語るわけではありませんが、バンドのキャリアにおける一つの節目として記憶される出来事となりました。

収録曲詳細

本シングルCDには、以下の4トラックが収録されています。

1. HIRAMEKI
表題曲であり、テレビ番組「そんな所で…」のエンディングテーマ。作詞はボーカルのTAKAとベーシストのSHUSEが共作し、作曲はSHUSEが担当しました。キャッチーでポップなメロディラインが印象的な楽曲です。
2. Missing pieces
シングルのカップリングとして収録された楽曲。作詞はTAKA、作曲はギタリストのHIROが手掛けました。表題曲とは趣を異にする、HIROらしいロックサウンドが特徴のナンバーです。シングルの多面性を示しています。
3. HIRAMEKI (un-vocal)
表題曲「HIRAMEKI」のボーカルトラックを除いたインストゥルメンタルバージョンです。歌メロディを楽器がどのように表現しているか、アレンジの細部などをじっくりと聴き込むことができます。
4. MIssing pieces (un-vocal)
カップリング曲「Missing pieces」のインストゥルメンタルバージョン。こちらもボーカルレスとなっており、ギター、ベース、ドラムといった各楽器の演奏に焦点を当てて楽しむことが可能です。特にHIROのギターワークやリズム隊の絡みがよく聴き取れます。

アルバムへの収録

シングルの表題曲「HIRAMEKI」は、後にバンドのオリジナルアルバムに収録されました。該当するアルバムは、2003年10月8日にリリースされた通算7枚目のフルアルバム『DEEP SPACE SYNDICATE』です。アルバムバージョンとして収録されるにあたり、シングルとは異なるミックスやアレンジが施されている場合もあります。

「HIRAMEKI」は、La'cryma Christiのディスコグラフィーの中では商業的な成功を収めた作品とは言えませんが、テレビタイアップの獲得、ライブ映像を活用したプロモーション、そしてバンドメンバーによる作詞・作曲の多様性を示す収録曲といった側面から、彼らの当時の活動状況や音楽性を理解する上で重要な意味を持つ一枚と言えるでしょう。ファンにとっては、バンドの歴史を語る上で欠かせない記録として、今なお記憶されている作品です。

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