HONEY (L'Arc〜en〜Cielの曲)

シングル『HONEY』の概要

『HONEY』（ハニー）は、L'Arc〜en〜Cielが1998年7月8日にリリースした10作目のシングルです。興味深いことに、同時期にリリースされたシングルのうちの一つで、発売元はKi/oon Recordsとなっています。3枚同時発売が決定した背景には、レコード会社のスタッフからの提案があったからであり、メンバーのtetsuyaの「バカっぽくていいかな」というコメントが、彼らの軽快な心情をよく表しています。

特に印象的なのは、表題曲『HONEY』です。作詞・作曲を手掛けたhydeは、この曲を「自分の中のシングルの定義を表現した楽曲」と評し、シンプルでメロディックなロックナンバーに仕上げました。

『HONEY』の音楽的特徴

本作は、シンセサイザーやストリングスなどの装飾を一切排除し、ロックバンドの基本的なフォーマットに則った楽曲です。レコーディングでは、音数を最小限に抑え、力強いギターのサウンドを基盤にしたアプローチが取り入れられました。特にkenの使ったフェンダー・ジャズマスターによる特徴的な音色は、この曲の魅力を一層引き立てています。

yukihiroは、この曲が自身のフェイバリットであるとし、シンプルな音数感が与える空間的な印象を高く評価しています。また音楽ライターのパンスは、「ギターの疾走感とhydeの華麗なボーカルが見事に噛み合い、独自の魅力を放っている」と評しています。これにより『HONEY』は、L'Arc〜en〜Cielのアイコン的な楽曲の一つとなりました。

楽曲の影響と受賞

このシングルは、1998年の『第49回NHK紅白歌合戦』での初出場の際にも演奏され、名実ともに彼らの代表曲となりました。また、多くのアーティストたちによるカバーも行われており、HYDE自身はソロ名義でもこの楽曲を再録音するなど、数々のイベントでも披露しています。特に、1998年5月2日よりTBS系番組『スーパーサッカー』のエンディングテーマとして使用されるなど、メディア露出も豊富でした。

リリース後、初週で50万以上を売り上げ、オリコンでは2位を獲得。その後は首位にて、4週連続で同時TOP10入りを果たし、累計売上は約123.8万枚となり、L'Arc〜en〜Cielのシングルとしては初めてのミリオンセラーを達成しました。

現代への影響

2019年には、L'Arc〜en〜Cielの全楽曲が各種サブスクリプションサービスでストリーミング解禁され、再び新たなファン層を獲得します。また、音楽雑誌『ミュージック・マガジン』の特集では「1990年代Jポップ・ベスト・ソングス」の中で48位に選ばれるなど、今なおその影響力は健在です。

このように、シングル『HONEY』は単なる楽曲に留まらず、時代を超えて多くの人々に愛され続ける名曲であることが証明されています。

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