Hearts of Iron IV

『Hearts of Iron IV』の概要

『Hearts of Iron IV』、略してHoI4は、2016年6月6日にパラドックスインタラクティブから発売された歴史をテーマにしたグランドストラテジーゲームです。プレイヤーは1936年または1939年の任意の開始日から、シングルプレイヤーやマルチプレイヤーで世界中の任意の国を指揮し、第二次世界大戦の流れを操ることが求められます。発売からわずか2週間で20万本を売り上げたこのゲームは、パラドックスインタラクティブの歴史ストラテジーとしては最速の販売記録を達成しました。

ゲームシステム

『Hearts of Iron IV』では、国家の軍事力が陸海空の三つのカテゴリに分かれており、各国は歩兵や戦車などで構成された師団を訓練・指揮します。戦争を遂行する際には、装備と人的資源が不可欠です。装備は軍需工場で生産され、艦船は造船所で建造されます。民需工場は、消費財を生産し、他国との貿易も担当しますが、国家が動員体制を整えると、より多くの工場を軍事用途に転用することが可能になります。

土地は「ステート」と呼ばれる単位で構成されており、その中には工場や建物を建設するためのスロットが存在します。また、地形の種類によって戦闘性能が変化するため、攻略の際には周囲の環境を考慮することが重要です。何らかのプロヴィンスを占領することに成功すると、敵国はそのプロヴィンスの持つ資源や工場を利用できなくなります。このように、占領地でのレジスタンスという課題も含まれ、統治の難しさが加わります。

外交関係

また、『Hearts of Iron IV』では、複雑な外交関係が再現されており、プレイヤーは不可侵条約の締結や軍事通行権の要求など多様な外交行動を取ることができます。派閥の作成や既存の派閥への参加も行うことができ、枢軸国や連合国などの歴史的な同盟を模して、協力し合った戦争を展開することも可能です。加えて、諜報活動を通じて敵国の情報を集めたり、自国のイデオロギーを広めたりできる要素があり、戦略的な幅が広がっています。

イデオロギーと国家方針

このゲームでは、国家は民主主義、共産主義、ファシズム、非同盟のいずれかのイデオロギーを持ち、それぞれに特有の利点と欠点があります。特に、ファシズム国家は戦争を開始しやすい一方、民主主義国家は貿易が円滑に進む傾向にあります。国内でイデオロギーが変化すると、国民投票による平和的な政権交代やクーデターによる政権交代など、さまざまな政治的イベントが起こる可能性があります。

拡張パック『La Résistance』では、諜報活動が強化され、他国の技術の窃取や軍事情報の収集などの要素が追加されています。また、「国家方針」システムが導入され、プレイヤーの決定がゲーム進行に影響を与えるようになりました。

ゲームの発展

『Hearts of Iron IV』は2014年の発表以降、幾度もアップデートされ、各国に固有のシナリオや戦略が追加されています。特に国際緊張度の導入は、プレイヤーの行動が外交や戦争にどのように影響を与えるかを示す重要な要素として位置づけられています。

プレイヤーは、戦争の準備や外交、スパイ活動、経済の管理など、激動の時代の中で多様な選択を強いられます。その結果、歴史通りの展開だけでなく、プレイヤーの意図に応じたシナリオも体験できることが、このゲームの魅力です。

MODとコミュニティ

また、このゲームはSteam Workshopに対応しており、多様なMODが制作されています。代表的なMODには歴史改変系の「Kaiserreich」やシンプルなバランス調整を目的とした「The Road to 56」があり、ユーザーが新たな体験を求める際に役立っています。

『Hearts of Iron IV』の幅広い戦略的選択肢や、プレイヤーによって動的に変化する世界情勢は、戦略ゲームの新たな地平を切り開いています。

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