Humanity

『Humanity』（ヒューマニティ）は、日本の音楽グループ、SING LIKE TALKINGが1992年2月26日にファンハウスから発表した通算5枚目となるスタジオ・アルバムである。

この作品は、それまで主に音楽ファンを中心に支持されていたSING LIKE TALKINGの存在を、より幅広い層に知らしめる上で極めて重要な役割を果たした。特に収録曲の「Rise」（6曲目）は、旭化成のチューハイ「ハイリキ」のコマーシャルソングとして起用され、大きな注目を集めた。この楽曲に対する好評を受け、アルバム発売から約半年後の同年8月19日には、シングルとして改めてリリースされている。

また、「Rise」は、同時期に発表されたDREAMS COME TRUEのヒット曲「決戦は金曜日」（1992年9月19日発売）との間に、曲調や構成において共通点が見られることが知られている。これは偶然によるものではなく、両グループのフロントマンである佐藤竹善（SING LIKE TALKING）と中村正人（DREAMS COME TRUE）が、とあるラジオ番組の企画において、シェリル・リンの楽曲「Got to be real」をベースにそれぞれが楽曲を制作するという試みを行った結果生まれたものである。この経緯から、「Rise」と「決戦は金曜日」は、ある種の「競作」関係にあると位置づけられている。

商業的な成功という面でも、本作はグループにとって大きな飛躍をもたらした。1992年3月9日付のオリコン週間アルバムチャートにおいて、最高位となる3位を獲得。累計売上枚数は14.4万枚を記録し、彼らのキャリアにおける重要なターニングポイントとなった。

発売から年月を経た2015年2月11日には、最新のデジタルリマスタリングが施され、高音質のBlue-spec CD2として再発売されている。

収録曲

全作詞：藤田千章
作曲：佐藤竹善（特記以外）、西村智彦（7）、藤田千章（11）
全編曲：SING LIKE TALKING
ストリングス編曲：Lili Haydn / Martin Tillman

1. 飛べない翼
2. Hold On
（シングル「Hold On」のカップリングに収録された楽曲。）
3. 遥かな航海へ
4. Pray
5. With You
6. Rise
7. Sunday Afternoon
（シングル「Hold On」のカップリングに収録された楽曲。）
8. Slow Love Down
（シングル「Rise」のカップリングに収録された楽曲。）
9. 感じるまま〜Humanity〜
10. 追憶〜窓辺の風景〜
11. I'm In Love
12. It's City Life
13. きっと 何時の日か
（シングル「Hold On」のカップリングに収録された楽曲。）

参加ミュージシャン

SING LIKE TALKING

西村智彦: GUITARS, SPEAKING & COOKING
藤田千章: VOCALS, SYNTHESIZERS, ALL PROGRAMMING & DRIVING
佐藤竹善: LEAD VOCALS, PIANO, KEYBOARDS & BOOKING

MUSICIAN CREDIT

ROD ANTOON: VOCALS, TALKING & ADDITIONAL KEYBOARDS
RANDY JACKSON: BASS (1, 13)
TRIS IMBODEN: DRUMS (5, 8, 13)
TAKASHI NUMAZAWA: DRUMS (6, 10), ADDITIONAL DRUMS (1, 2)
MICHAEL PAULO: SAXOPHONE (3)
GERALD ALBRIGHT: SAXOPHONE (12, 13)
DANIEL REYES: PERCUSSION (2, 8, 9)
ALEX BROWN: VOCALS (9, 12)
MORTONETTE JENKINS: VOCALS (9, 12)
LILI HAYDN: VIOLIN (13)
MARTIN TILLMAN: CELLO (13)
LARRY FERGUSSON: RAP (6, 12)
BRIAN "C-3PO" KINKEL: CLAPPING, SPEAKING & JOKING (9)

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