I LOVE HIP HOP

Dragon Ashの6枚目のシングル「I LOVE HIP HOP」は、1999年5月1日にビクターエンタテインメント / HAPPY HOUSEからリリースされました。このシングルは、同じく1999年5月1日にリリースされた「Grateful Days」との同時リリースであり、Dragon Ashの音楽的な転換期を象徴する作品の一つとして位置づけられます。

「I LOVE HIP HOP」は、そのタイトル通りヒップホップへの愛情を表現した楽曲ですが、その制作過程においては、複数の楽曲からのサンプリングが使用されています。特に、サビ部分にはThe Arrowsが1975年に発表した「I Love Rock'n Roll」がサンプリングされています。しかし、このサンプリングに関しては、オリジナル側から著作権侵害の抗議を受け、結果として楽曲使用料を支払うことになりました。また、この楽曲には、ベティ・ライトの「クリーン・アップ・ウーマン」やEric B. & Rakimの「Eric B Is President」もサンプリングされており、多様な音楽的ルーツが感じられます。

この楽曲は、当時の日本の音楽シーンにおいて、サンプリングという手法がまだ一般的に受け入れられていない状況の中で、著作権問題という大きな課題を提起しました。この問題は、Dragon Ashのメンバーだけでなく、他のアーティストにも影響を与え、特に「Grateful Days」に参加していたZeebraからは苦言を呈され、後にZeebraが所属するキングギドラの楽曲「公開処刑」発表に至るきっかけになったとも言われています。

「I LOVE HIP HOP」は、Dragon Ashのアルバム『Viva La Revolution』にも収録されていますが、このアルバムには原曲ではなく、同曲のラップ部分を流用した「Communication」が収録されています。しかし、ベストアルバムには原曲が収録されており、原曲を聴きたいファンにとっては嬉しい仕様となっています。

また、「I LOVE HIP HOP」の初回盤は、そのデザインにも特徴があります。通常盤では一般的な印刷が用いられていますが、初回盤では歌詞カード全体と帯がステッカーとなっており、コレクターアイテムとしての価値も高くなっています。さらに、タイトルにあるハートマーク(♥)の部分が実際にくり抜かれているという、遊び心のあるデザインも注目を集めました。

収録曲は以下の通りです。

1. I LOVE HIP HOP (作詞・作曲:降谷建志/ Jake Hooker / Alan Merrill)
2. Freedom of Expression (作詞・作曲:降谷建志)
3. The Theme of Motor Headphone (作詞・作曲:馬場育三・桜井誠)

「I LOVE HIP HOP」は、音楽的な実験性と挑戦、そして当時の音楽シーンにおける著作権問題を象徴する楽曲として、今もなお多くの音楽ファンに愛され続けています。

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