I Survived a Japanese Game Show

『I Survived a Japanese Game Show』は、アメリカのテレビ局ABCで放送された独創的なリアリティ番組です。2008年 6月24日に第1シーズンが始まり、好評を受けて翌年には第2シーズンも制作されましたが、第3シーズンの企画は中止となりました。この番組のコンセプトは、アメリカから集められた一般参加者が、日本の架空のゲーム番組『本気（まじ）で』に出演し、優勝賞金25万ドル（当時の為替レートで約250万円）を目指して様々な難題に挑むというものです。番組は日本の東京でも撮影が行われ、その中で登場する日本の街並みも大きな魅力の一つでした。

番組のホストを務めたトニー・サノは、特定の日本のゲーム番組をモデルにしたわけではないとしながらも、数多くの日本の番組を研究した上で制作に臨んだと語っています。日本の東宝スタジオが撮影に協力するなど、本格的な環境で作り上げられました。

日本国内においても、この番組はフジテレビの『ザ・ベストハウス123』で、司会の神田瀧夢が「日本人で初めて全米ネットワークで自分の番組を持つ男」として紹介された際に取り上げられています。また、2012年3月からはBSデジタル放送のDlifeにて、『ジャパニーズゲームショー「マジで!?」』という邦題で日本語吹替版が放送され、日本でも視聴される機会が生まれました。

個性豊かな出演者たち

番組を盛り上げたのは、魅力的なレギュラー出演者たちです。

トニー・サノ: 番組全体の進行役として、参加者たちにゲームのルールや通達事項を伝えます。
神田瀧夢: 架空のゲーム番組『本気で』の司会者として登場。英語と日本語を織り交ぜた司会ぶりが特徴で、時には日本語が分からない参加者を相手に少し毒舌を吐くこともありますが、常に挑戦者と場の雰囲気を気遣う人気キャラクターです。
審判（ジャッジ）・ボブ（ふるごおり雅浩）: 全てのゲームの審判として、厳格ながらも次第に司会者とのコミカルな掛け合いも見せるようになります。ゲーム前の先攻決めも彼の役目でした。
サヨナラ・モブ: エリミネーションゲームで敗退した参加者を連行するために現れる、黒いスーツとサングラスを身につけた集団。特徴的なダンスを踊りながら敗者を運び去ります。このダンスは元々勝者への喜びを表すものとされています。回が進むにつれて登場パターンが増え、視聴者を楽しませました。なお、優勝決定時には白いスーツの「オメデト・モブ」として登場し、勝者を祝福します。
* ママさん（斎藤こず恵）: 参加者たちが共同生活を送るゲストハウスで、彼らの身の回りの世話をする役割を担いました。第2シーズンでは、ご褒美や罰ゲームの場にも同行することがありました。

シーズンごとのルールと展開

第1シーズン

10名の参加者でスタート。彼らはリアリティ番組に参加すると知らされていましたが、日本へ行くことは番組開始後に初めて伝えられました。参加者たちは葛西に用意された日本式の特設住居で共同生活を送ります。「Mama-San」も彼らとともに生活し、身の回りの世話をしました。

ゲームは当初、5対5のチーム戦（イエローペンギン対グリーンモンキー）で行われました。勝利チームには日本らしい体験ができるご褒美が与えられましたが、敗北チームには過酷な罰ゲームが待っていました。さらに、敗北チームはゲームで最も貢献度が低かったと思われる2名を選出し、個人戦形式のエリミネーションゲームに送り込まなければなりません。エリミネーションの敗者は即座に脱落し、アメリカへ強制送還されます。このプロセスが繰り返され、参加者が4名になった時点で個人戦へと移行。一発勝負のゲームで最下位の参加者が脱落し、最後に残った1名が優勝となります。

代表的なゲームとして、ベルトコンベアを逆走してモチボールを運ぶ「コンベ屋食堂」、トランポリンで壁に張り付く「ぴったんこバンバン」、回転台の上でミルクを運ぶ「ねんねんころりYOおころりYO」、卵を尻で割る「チキンと割りまSHOW」など、日本のバラエティ番組を彷彿とさせるユニークで身体を張るものが多数登場しました。決勝戦「本気で!全部のせ」では、これまでのゲーム要素を組み合わせた巨大アスレチックに挑戦し、ジャスティンが初代優勝者となりました。

第2シーズン

第2シーズンは12名の参加者で開始。前シーズンの成功により番組が知られていたため、司会の神田瀧夢自ら参加者の募集や迎え入れを行いました。チーム編成はグリーンタイガーズとレッドロボッツとなり、宿泊場所も新たな「MAJIDE ゲストハウス」に移りました。

ルールが一部変更され、各回で3つのゲームが行われるようになりました。最初のゲームの勝利チームは2つ目のゲームで有利になるアドバンテージを獲得。2つ目のゲームに勝利すればご褒美、敗北すれば罰ゲームに加え、3つ目のゲームとしてエリミネーションに挑むことになります。脱落者を繰り返し、参加者が3名になった時点で決勝ラウンド（個人戦）へと進みました。

第2シーズンでも、巨大なパンツを履いてボールを集める「パーティーパンツ」、全身にローションを浴びて進む「ローション騒動」、頭にティーを乗せてゴルフをする「ミニゴルフべっとりマスターズ」、パンストをかぶってイカの足を噛みちぎる「イカパンスト」など、さらにエスカレートしたような奇想天外なゲームが登場しました。決勝戦「超本気で!」も、過去のゲーム要素を盛り込んだ過酷なアスレチック形式で行われ、キャシーが優勝。彼女は全てのチームゲームで勝利し、罰ゲームを一度も経験することなく頂点に立ちました。

『I Survived a Japanese Game Show』は、アメリカの参加者たちが日本のユニークな文化や過激なゲームに戸惑いながらも全力で挑む姿が大きな魅力となり、国境を越えて多くの視聴者に楽しまれました。その予測不能な展開と身体を張った挑戦は、日本のゲーム番組のエッセンスを見事に捉えていたと言えるでしょう。

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