I love ((G)I-DLEのアルバム)

I love ((G)I-DLEのミニアルバム)

『I love』は、韓国の多国籍5人組女性アイドルグループである(G)I-DLEによって発表された5作目のミニアルバムです。2022年10月17日に、CUBEエンターテインメントからカカオエンターテインメントを通じて世に送り出されました。この作品は、タイトル曲『Nxde』を含む全6曲で構成されており、前作『I NEVER DIE』からは約7ヶ月ぶりにリリースされたカムバック作となりました。

制作背景

本アルバムの制作は、グループのリーダーであり、アルバム全体のプロデュースを手がけたソヨンが中心となって進められました。アルバムのコンセプトについて、ソヨンはリリースに先立つ5月13日に放送されたバラエティ番組「私は一人で暮らす」内で示唆していました。

アルバムの具体的な作業は、6月にソウル公演から始まったワールドツアー「2022 (G)I-DLE WORLD TOUR [JUST ME ( )I-DLE]」で海外へ出発する前から、レコーディングやジャケット写真撮影などが全て完了していました。ソヨンは、伝えたい物語が明確であったため、迅速に準備を進めたと語っています。

リリースまでのプロモーションは、9月13日に公開されたスポイラービデオを皮切りに始まりました。その後、トラックリスト、コンセプトフォト、オーディオスニペット、そしてタイトル曲『Nxde』のミュージックビデオティーザーなどが、リリース日当日まで順次公開され、ファンの期待感を高めました。アルバム発売後の10月21日には、Mnetの音楽番組『M COUNTDOWN』への出演をスタートとして、本格的な音楽番組でのプロモーション活動を展開しました。

コンセプト

このアルバムには、「自分ではない姿で愛されるくらいなら、ありのままの姿で憎まれたい」という強いメッセージが込められています。これは、自分が望まない建前を取り払い、飾り気のない率直な自分自身を見せるという、メンバーたちの覚悟を表現しています。

本作の大きな特徴として、20世紀のアイコンであるマリリン・モンローへのオマージュが挙げられます。これに伴い、メンバー全員が金髪姿で活動に参加しました。金髪の種類はメンバーごとに異なり、ウギはオレンジがかった「ダイアモンドオレンジ」、ミンニは落ち着いた金髪、シュファとソヨンは明るい金髪、ミヨンはシュファとソヨンよりもやや暗めの金髪となっています。特に、これまでブリーチや派手なカラーを避けてきたシュファの金髪への変身は大きな反響を呼びました。シュファは、ソヨンからのコンセプトに関する丁寧な説明を受け、2〜3日間熟慮した末に金髪を決意したといいます。また、メンバーのミンニは、単独コンサート終了後の打ち上げでシュファが初めて金髪にしたと聞いた際に感極まって泣いたというエピソードも明かされています。リーダーのソヨンは、アルバムのコンセプトについて、「飾らないありのままの姿を表現したかった」と語っています。

アルバムのコンセプトフォトは、テーマを反映した3種類のバージョンで展開されました。
Act ver.：ハート型のオブジェとメンバーのランジェリー姿を通じて、愛という感情が持つ両面性を表現しています。
Born ver.：ガウンをまとって足を組んだ集合写真が特徴的です。
X-File ver.：ウサギの仮面を着け、薄暗い部屋のソファに座る姿で、誰からも愛されるアーティストの裏側にある孤独や葛藤を表現しています。

収録曲と音楽性

本アルバムは、全曲にソヨンが制作に関わり、ウギとミンニもそれぞれ2曲の楽曲制作に参加しています。楽曲の構成にはユニークな工夫が凝らされており、トラックリストは公式SNSで逆順（6番目から1番目へ）に掲載されました。これは、6番目の曲が最初に恋をした時の純粋な姿を示し、そこから5番目、4番目…と、愛の様々な段階を経て1番目の曲で表現される現在の姿に至る、という物語の流れを表しているためです。

タイトル曲の『Nxde』（読み：ヌード）は、ジョルジュ・ビゼーのオペラ「カルメン」より、有名なアリア「ハバネラ」をサンプリングしています。「ヌード」という単語を用いて、飾らない真の自分を見せるという強い決意を表現し、それをわいせつな視線で捉える世間への大胆な皮肉を込めた歌詞が特徴的な楽曲です。ソヨンはこの「ヌード」というタイトルについて、「『ヌード』という単語は、わいせつで卑猥だと感じる人もいるかもしれない。しかし、それは露出ではなく、本物の自分の姿という意味だ。私にとってヌードは、そのような意味だった」と述べています。タイトルは制作初期から『Nxde』と決まっていましたが、所属事務所からは「それは刺激的すぎる」と反対されたといいます。しかし、ソヨンの「これは絶対に『Nxde』でなければならない」という強い意思により、このタイトルに決定しました。『Nxde』の発表は、インターネット検索にも影響を与えました。NAVERなどの検索エンジンで「アイドゥル ヌード」と検索した場合、以前は児童ポルノなど不適切なコンテンツが表示されることがありましたが、新曲のリリース以降は、本楽曲のミュージックビデオや関連する公式情報が表示されるようになりました。

アルバム形態

アルバムは、3種類のブックレット形式バージョン（「Born Ver.」「Act Ver.」「X-File Ver.」）と、メンバー別の5種類のジュエルケース形式バージョンでリリースされました。

ブックレット形式アルバム：100ページのブックレット、リリックペーパー、CD、フォトカード、ステッカー、スタンプステッカー、ブックマーク、ミニポスター、そして初回予約限定のポスターが封入されています。
ジュエルケース形式アルバム：CDケース、ブックレット、リリックペーパー、CD、フォトカードが封入されています。

ミュージックビデオ

『Nxde』のミュージックビデオは、主にHIGHQUALITYFISH（HQF）が制作を手掛け、HQF所属のソン・スンヒ監督が演出を担当しました。HQFおよびソン・スンヒ監督は、前作の『TOMBOY』や、テヨンの『INVU』、チャンモの『モレシゲ（→砂時計）』など、多くの人気作品のミュージックビデオ制作に携わっています。

ビデオの内容は、メンバーが女優や彫刻像などに扮し、スポットライトを浴びる中で、客体として見られることに対する多様な視線を描いています。アニメーションが効果的に使用されており、重いテーマを軽妙に伝える工夫がされています。また、このビデオでもマリリン・モンローの過去の出演作などへのオマージュが見られます。ミンニは映画「紳士は金髪がお好き」を思わせるピンクのベルベットドレスとクリスタルネックレスを着用し、ウギは映画「七年目の浮気」の象徴的なシーンを彷彿とさせる白いドレスとプリーツスカート姿で登場しています。ミュージックビデオについて、ウギは「今回のミュージックビデオは一つの作品として捉えていただけたら嬉しい。意味深いシーンが散りばめられているので、見逃さずに細部まで見てほしい」とコメントしています。

評価と受容

『I love』およびタイトル曲『Nxde』は、リリース後国内外で高い評価と商業的な成功を収めました。

評価：2022年10月18日には、アメリカのサンフランシスコの人気ラジオ局99.7 NOW FMで紹介されました。ラジオパーソナリティのゲム・アーチャーは、「音楽を聴いた瞬間、リスナーに早く聴かせたいと思った。英語やラテン語以外の楽曲をラジオで流したのは恐らく初めてだ。(G)I-DLEをぜひ放送局に招待したい。彼女たちは保守的なラジオメディアの壁をも超えられるだろう」と絶賛しました。
受容：アルバムの先行予約枚数は70万枚を突破し、グループの自己最高記録を更新しました。リリース当日の10月17日には、シンガポールやブラジルなど、世界各地のiTunesトップアルバムチャートで首位を獲得しました。タイトル曲『Nxde』は、韓国国内の主要音楽配信サイトであるMelon、Bugs!、genieなどのリアルタイムチャートでリリースと同時に首位を獲得しました。特にBugs!では、アルバム全収録曲がチャートインするという快挙を達成しました。

ミュージックビデオ クレジット

ソン・スンヒ監督のInstagram投稿に基づく主要スタッフ：

撮影：HIGHQUALITYFISH
監督：SAMSON（ソン・スンヒ）
エグゼクティブ・プロデューサー：HGF
1st AD：ホン・ジュヨン
2nd AD：クォン・スミン
ライン・プロデューサー：キ・ジョンホ
撮影監督：ユン・インモ | ATOD
照明：パク・ジュンヒ 他
空間ディレクター：イ・ジュンエ
アートチーム：チャン・ホンソク 他
SFX：パク・チョリョン 他
振付師：テウン
アニメーション：STUDIO SHELTER（2Dアニメーションディレクター：パク・ジウォン 他）
編集：SAMSON
DI：HQF
* CG：Jamyu（CGアーティスト：ソニュ）

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