I-15 (航空機)

I-15の概要

I-15（ロシア語: И-15、読み：イー・ピトナーッツァチ）は、ソ連のポリカールポフ設計局によって開発され、ソ連赤色空軍などで使用された単発複葉戦闘機です。この機体は、戦間期から第二次世界大戦の初期にかけて、労農赤軍の主力戦闘機として重要な役割を果たしました。

開発の背景

I-15の開発は、初の国内設計機であるI-1以来、ポリカールポフ設計局によって行われました。1932年に設計が始まり、1933年に初飛行を果たしました。その原型であるTsKB-3（ЦКБ-3）は、ポリカールポフが手掛けた他の戦闘機と同様に、飛行性能と操縦性に優れた特性を持っていました。

機体の特徴

I-15の設計において最も目を引くのが、さまざまな特徴を持つその翼形です。上翼は左右に分割され、ガル翼として胴体に取り付けられています。この設計により、前方視界が広くなり、操縦士は敵機の発見や攻撃が容易になります。一方、下翼は上翼よりもかなり小さく、洗練されたI字型の翼間支柱が用いられていました。この独特の翼形状により、最高速度はやや劣るものの、旋回性能は非常に高くなっています。部隊への配備は1934年末から始まりました。

改良型の展開

1937年からは、改良型のI-15bisの生産が開始されました。主な改良点は、上翼を通常のパラソル型に変更し、対地攻撃用の武装を追加、さらに発動機の出力を強化したことです。この改良により、I-15bisは最高速度が向上し、軽攻撃機としての運用も可能となりました。

戦歴

I-15は、スペイン内戦やノモンハン事変など、さまざまな戦闘で活躍しました。特にスペイン内戦では、I-16と比較して旋回性能が劣ったため、当初は敵機に対して劣勢に立たされました。これに伴い、ソ連はI-15の改良型であるI-15ter（後のI-153）の開発に着手し、性能向上を図りました。

日本においては、ノモンハン事変での日本の戦闘機に対抗できなかったためにI-153が開発されたとの誤解が広まっていますが、実際にはI-153はこの事変よりも前に開発され、戦闘にも投入されていました。

独ソ戦と現存機

一線級からは外されたものの、独ソ戦開始時には依然として部隊に配置され、多くの機体が軽攻撃機として活用され続けました。

現存する機体

現在、I-15の現存機体としては数機が確認されており、戦史を物語る貴重な存在となっています。

登場作品

I-15は、いくつかのメディアに登場しています。ゲーム『War Thunder』では、I-15が初期機体として、そしてI-15bisが後継機として登場しています。また、『燃ゆる大空』では、国民革命軍のI-15として九五式戦闘機が使用されています。

関連項目

• - 戦闘機一覧

このように、I-15は戦間期から第二次世界大戦にかけて非常に重要な役割を果たした航空機であり、戦闘機の設計や性能向上に貢献しています。

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