I.V.

X JAPANの「I.V.」: 音楽と映画の融合

「I.V.」は、ロックバンドX JAPANが2008年1月23日にリリースした楽曲であり、映画「ソウ4」の主題歌として多くの注目を集めました。この曲はX JAPANが公の場で演奏するのが10年ぶりであり、特別な意味を持つ一曲となっています。全世界762館で一斉に上映された「ソウ4」に合わせて、X JAPANは世界の音楽市場に進出することになりました。日本のロックバンドとして初めての全世界同時配信を実現させ、アメリカ、イギリス、オーストラリアを含む23ヶ国で同時にリリースされたのです。

楽曲の背景

この楽曲は、X JAPANが日本では長らくiTunes Storeにて配信されていなかったことに後悔していたこともあり、2014年には再び配信を開始することとなりました。「I.V.」は「ソウ4」のオリジナルサウンドトラックには収録されず、CDとしても発売されていない珍しい作品ですが、音楽ゲーム「Rock Band 2」で無償ダウンロードソングとして提供されています。このように、ファンにとってアクセスしやすい形で楽曲が提供され続けている点も、X JAPANの魅力の一つです。

タイトルの意味

「I.V.」というタイトルについて、YOSHIKIは元々特に意味はなかったと語りつつも、後からさまざまな解釈ができることを明言しました。英語の「私」のIとローマ数字の「5」を組み合わせたものであるとも述べ、「現在は4人」という解釈や、「点滴」を意味するintravenous injection、さらには「死んでも離れない」などの花言葉も考えられるとしています。歌詞の最後に使われている「vein」という単語からも、点滴との関連性が強く感じられます。また、メジャーデビュー曲である「紅」の一部が英訳されて歌詞に使用されていることも、楽曲に深みを与えています。

制作過程

「I.V.」の制作にはYOSHIKIが率いる音楽プロジェクト・Violet UKが関与し、映画の主題歌としてのオファーを受けたことがきっかけでした。元々は7～8分の長編曲であったが、映画用に短縮されたこともあり、その制作の過程は非常にハードだったとYOSHIKIは語ります。彼はToshlのレコーディングに立ち会い、発音の指導も行いながら、英語での歌詞の完成度を高めていきました。

ミュージックビデオの撮影

この楽曲のミュージックビデオは、2007年10月22日に東京都・台場で収録され、約10,000人が集まりました。ヘリコプターによる空撮や降雨シーンなどの演出が施され、随所に「ソウ4」の映像が組み込まれています。収録後、YOSHIKIはX JAPANの再結成を発表し、その後東京ドームでのコンサートにつながりました。また、2008年にはミュージックビデオの一部がYahoo!動画にて無料配信され、ファンの期待が高まったのです。

エピソードとパーソネル

2007年11月には、トビン・ベルとの対談が行われ、YOSHIKIは曲のデモ制作に多忙であったことや、映画音楽を作る際の心構えについて語りました。彼は、映画の良さを引き出すことが最も重要であるとも述べています。

この楽曲の制作にはミキシングエンジニアの杉山勇司やレコーディングエンジニアのエリック・ウェストフォールといった著名なスタッフが関与しており、クオリティの高い音楽作品が生まれました。Aを指導する役割を果たしたYOSHIKIの存在も大いに影響を与えています。

「I.V.」はX JAPANの音楽的な進化を象徴する曲であり、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。

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