IEEE 802.3

IEEE 802.3は、IEEE（米国電気電子学会）によって策定された、ローカルエリアネットワーク（LAN）の最も代表的な規格の一つです。この規格は、イーサネット技術の基盤を成しており、有線LANにおける物理層およびMAC（Media Access Control）副層の機能仕様を定義しています。IEEE 802委員会内に設置されたワーキンググループが、この規格の標準化作業を担っています。

規格名称としては、一般的に「イーサネット」という言葉とほぼ同義で使用され、有線LANのデータ伝送において重要な役割を果たしています。IEEEは、ISO（国際標準化機構）/IEC（国際電気標準会議）の合同技術委員会であるJTC1との間で連携協定を結んでおり、共同で規格を発行することができます。この連携により、IEEE 802.3規格は、IEEE/ISO/IEC 8802-3としても発行されており、国際的な標準規格としての地位を確立しています。

タスクグループによる規格拡張

1983年以来、IEEE 802.3規格は、技術の進化や市場のニーズに応えるために、継続的に仕様が追加・拡張されています。これらの拡張作業は、特定の技術分野に焦点を当てた複数のタスクグループによって行われています。各タスクグループは、特定の技術要素の標準化を担当し、その成果はグループと同名の文書としてまとめられます。これらの文書は、IEEE 802.3規格のサブセット規格としても利用されることがあります。

IEEE Standards Association（IEEE標準化協会）では、規格の拡張は、原規格番号の末尾にアルファベット小文字を追加することで表現されます。プロジェクトの開始順にアルファベットが割り当てられ、i、l、oのように数字と混同しやすい文字は避けられます。また、作業段階の文書やグループには、番号の前に「P」が付けられます。この命名規則は、規格の追跡と整理を容易にしています。

規格改訂時には、各タスクグループの成果物を統合するためのタスクグループが別途構成され、全体的な改訂作業が行われます。このプロセスにより、規格全体の一貫性と整合性が保たれています。

参考情報

より詳細な情報については、以下のリソースをご参照ください。

The IEEE 802.3 Working Group
IEEE GET Program - IEEE 802.3: Ethernet

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