INNI VISION

INNI VISION（インニー・ヴィジョン）は、日本を拠点に活動する映像作家です。主にミュージックビデオやライブ映像、ドキュメンタリー映画の分野で、監督、撮影、編集まで一貫して手がけるスタイルで知られています。

そのキャリアは、かつてバンドでドラムを担当していた音楽活動に端を発します。その後、2008年には「escape into verse」という名義で映像作品の発表を開始。2010年には、ビジュアルプロダクションカンパニー「maxilla inc.（マキシラ）」の設立メンバーとして名を連ねました。

2012年に独立し、自身の名義である「INNI VISION」としての活動を本格的にスタートさせます。maxilla在籍時代から関わりのあったSiM、coldrain、HEY-SMITHという3バンドによるプロジェクト「TRIPLE AXE」の映像をはじめ、国内外で絶大な人気を誇るCrossfaith、Crystal Lake、BABYMETALといった数多くのアーティストのミュージックビデオを手がけてきました。さらに、アーティストのワールドツアーに帯同し、世界35ヶ国以上でドキュメンタリー映像の企画から撮影、編集まで全てを自ら担当するなど、その活動範囲は多岐にわたります。

INNI VISIONの作品の中でも特に世界的な注目を集めたのが、2014年2月に公開されたBABYMETALの「ギミチョコ!!」ライブ映像です。この映像は公開からわずか1年で再生回数が2300万回を超え、2018年時点では9600万回を突破するという驚異的な数字を記録し、アーティストの世界的ブレイクの一端を担いました。

彼がこれまでに手がけた作品は非常に多く、SiM、BABYMETAL、coldrain、Crossfaith、Crystal Lake、Fear, and Loathing in Las Vegas、HER NAME IN BLOOD、HEY-SMITH、kamomekamomeといったアーティストたちのミュージックビデオのほか、ライブDVDやBlu-ray Disc作品も多数制作しています。また、escape into verseやmaxilla名義の初期作品には、August Burns Red、Sheeps、bilo'u、CLEAVE、FACT、NEW BREED、ONE OK ROCK、マキシマム ザ ホルモンなど、幅広いジャンルのアーティストが含まれています。

映像業界や音楽シーンにおけるINNI VISIONの功績は高く評価されており、Crossfaith「Monolith」がROCK SOUND MAGAZINEのBEST OF 2012に選出されたほか、ONE OK ROCK「The Beginning」がMTV VIDEO MUSIC AWARDS JAPANで最優秀ロックビデオ賞および最優秀映画ビデオ賞を受賞、SPACE SHOWER MUSIC VIDEO AWARDSでも視聴者投票で最も支持された作品に選ばれるなど、数々の受賞歴があります。また、音楽専門誌『ヘドバン』や『Rolling Stone 日本版』、MTVの番組などで特集されるなど、メディアからの注目度も高い映像作家と言えます。

バンドマンとしての経験を活かした独自の感性と、国内外の過酷な現場で培われた技術力によって生み出される彼の映像は、アーティストの魅力を最大限に引き出し、観る者に強いインパクトを与えています。INNI VISIONは、日本の音楽シーン、特にラウドロックやメタルコアといったジャンルにおいて、映像表現の可能性を切り開き続ける重要な存在です。

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