INSERT (SQL)

SQLのINSERTステートメントについて

INSERTステートメントは、SQLにおけるデータ操作言語（DML）の一つで、データベースのテーブルに行を追加する際に使用します。このステートメントを使うことで、単一行の追加はもちろん、他のテーブルからの問い合わせ結果に基づいて複数行を一度に追加することも可能です。

基本構文と使い方

INSERTステートメントの基本的な構文は次のようになります。

sql
INSERT INTO テーブル名 (列1, 列2, ...) VALUES (値1, 値2, ...);

• - 値の挿入:

- 列の指定がある場合、指定した列の数と値の数は一致している必要があります。
- 列の指定がない場合、テーブル作成時に定義された列の順序に従って値が割り当てられます。
- 指定のない列には、デフォルト値（テーブル定義時に設定された場合）またはNULLが挿入されます。
- 挿入される値は、テーブルに設定された制約（主キー制約、一意性制約、参照整合性制約、CHECK制約、NOT NULL制約など）を満たしている必要があります。制約違反があった場合、挿入は失敗します。
- `VALUES`句に複数の値を指定することで、一度に複数の行を挿入できます。これは複数回INSERTを実行するのと結果は同じですが、データベースによっては処理効率が向上する場合があります。

問い合わせ結果の挿入

INSERTステートメントでは、他のテーブルのSELECTステートメントの結果を挿入することもできます。

sql
INSERT INTO テーブル1 (列1, 列2, ...) SELECT 列A, 列B, ... FROM テーブル2 WHERE 条件;


この例では、テーブル2から選択されたデータがテーブル1に挿入されます。

権限について

INSERTステートメントを実行するには、対象テーブルに対するINSERT権限が必要です。また、SELECTステートメントの結果を挿入する場合、WHERE句で参照されるすべてのテーブルに対するSELECT権限も必要となります。

自動採番キーの扱い

データベースシステムが自動で採番する連番などの人工キー（主キー）を使用する場合、INSERT後にそのキー値を知る必要が生じます。このためには、以下の方法が利用できます。

1. 特別なストアドプロシージャを使用する: データベースシステムが提供するストアドプロシージャを利用して、最後に挿入された行のキー値を取得します。
2. 一時テーブルを利用する: 一時テーブルに最後に挿入した行をSELECT文で検索します。
3. INSERT時の情報を利用する: INSERTステートメントで使用した一意な要素の組み合わせを、SELECTステートメントの条件として検索します。
4. GUIDを使用する: INSERTステートメントでGUIDを生成し、SELECTステートメントでそのGUIDをキーとして検索します。

これらの方法を用いることで、自動採番されたキーを効率的に取得し、その後の処理に利用できます。

まとめ

INSERTステートメントは、SQLにおいて重要な役割を担っており、データの追加、バックアップ、データ移行など、様々な場面で利用されます。 正しい構文と権限、そして自動採番キーの扱い方を理解することで、データベース操作をより効果的に行えます。

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