一意性制約

一意性制約（Unique Constraint）

一意性制約とは、データベースにおけるデータの整合性を保つための重要な制約の一つです。具体的には、テーブル内の特定の列、あるいは複数の列の組み合わせにおいて、格納されるデータが必ず一意（ユニーク）であることを要求するものです。これにより、データが重複して格納されることを防ぎ、データベースの信頼性を高めることができます。

一意性制約の役割

一意性制約は、データの正確性と一貫性を維持するために不可欠です。例えば、顧客テーブルにおいて顧客IDが一意でなければ、同じ顧客が複数存在することになり、データの管理や分析に混乱が生じます。一意性制約を設定することで、このような事態を防ぎ、データの信頼性を確保します。

また、一意性制約は、データベースの検索効率を向上させる効果もあります。一意な値をキーとして検索を行うことで、目的のデータを迅速に見つけることができます。

一意性制約と主キー制約

主キー制約は、一意性制約にNOT NULL制約（NULL値を許可しない制約）を加えたものと考えることができます。主キーはテーブル内で必ず一つ存在し、各行を一意に識別するためのキーとして使用されます。主キー制約は、一意性制約よりもより厳格な制約であり、テーブルの整合性を維持するために重要な役割を果たします。

一意性制約の構文

一意性制約は、SQLを用いてテーブル作成時またはテーブル変更時に定義します。以下に一般的な定義方法を示します。

1. 列制約として定義する方法

テーブル作成時に、特定の列に対して一意性制約を設定する方法です。

sql
CREATE TABLE テーブル名 (
列名1 列1データ型 CONSTRAINT 制約名 UNIQUE,
列名2 列2データ型
[・・・,列名n 列nデータ型]
);


この例では、「列名1」に対して一意性制約が設定されています。「CONSTRAINT 制約名」は任意で指定できます。

2. テーブル制約として定義する方法

テーブル内の複数の列に対して一意性制約を設定する方法です。

sql
CREATE TABLE テーブル名 (
列名1 列1データ型,
列名2 列2データ型,
[・・・列名n 列nデータ型,]
CONSTRAINT 制約名 UNIQUE (列名1)
);


この例では、「列名1」に対して一意性制約が設定されています。

3. 複数の列に対して一意性制約を定義する方法

複数の列の組み合わせで一意性を保証したい場合に用います。

sql
CREATE TABLE テーブル名 (
列名1 列1データ型,
列名2 列2データ型,
[・・・列名n 列nデータ型,]
CONSTRAINT 制約名 UNIQUE (列名1,列名2,・・)
);


この例では、「列名1」と「列名2」の組み合わせに対して一意性制約が設定されています。

ALTER TABLEステートメントによる定義

既存のテーブルに対して一意性制約を追加する場合は、ALTER TABLEステートメントを使用します。

sql
ALTER TABLE テーブル名
ADD CONSTRAINT 制約名 UNIQUE (列名1,列名2,...);

一意性制約の注意点

• - NULL値：一意性制約を設定した列にNULL値が複数含まれる場合、NULL値は一意な値として扱われるため、制約違反になりません。つまり、複数のNULL値が許可されることになります。
• - 複合一意性制約：複数の列にまたがる一意性制約の場合、すべての列の組み合わせで一意である必要があります。
• - インデックス：一意性制約を設定すると、通常は自動的にインデックスが作成されます。これにより、データの検索効率が向上しますが、インデックスのメンテナンスコストも発生します。

関連事項

• - 実体完全性: データベースにおけるデータの整合性を保つための概念で、一意性制約もその一部です。
• - 候補キー: テーブル内の一意な行を識別できる列または列の組み合わせ。一意性制約が設定された列は候補キーとなりえます。
• - スーパーキー: 候補キーを含む、一意に識別できる列の組み合わせ。
• - 主キー: テーブル内で各行を一意に識別するための列。通常はNOT NULL制約と一意性制約の両方を持ちます。
• - NOT NULL制約: NULL値が許可されない制約。一意性制約と組み合わせて主キー制約を定義するのに用いられます。
• - CHECK制約: 列に格納される値の範囲や形式を制限する制約。

まとめ

一意性制約は、データベースの整合性を維持し、データの信頼性を高めるために不可欠な要素です。適切な制約を設定することで、データベースの品質を向上させることができます。一意性制約を正しく理解し、適切に活用しましょう。

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