INXS

INXS（インエクセス）は、1977年にオーストラリアで結成されたファンク・ロックバンドです。1980年代から1990年代初頭にかけて、ファンキーでダンサブルなロックサウンドで世界的な人気を獲得しました。

キャリアの軌跡

INXSは、ボーカリストのマイケル・ハッチェンスと、ファリス三兄弟を中心に結成されました。1980年にデビュー後、オーストラリア国内で人気を博し、1983年には3枚目のアルバム『シャブー・シュバー』でアメリカ進出を果たします。1984年には、ナイル・ロジャースをプロデューサーに迎え、シングル「オリジナル・シン」を発表しました。

当初はニュー・ウェイヴの要素も取り入れていましたが、次第にファンク・ロックへと音楽性をシフト。1985年には、クリス・トーマスをプロデューサーに迎え、アルバム『リッスン・ライク・シーヴズ』を発表しました。このアルバムからシングルカットされた「ホワット・ユー・ニード」は全米5位を記録する大ヒットとなり、ファンク・ロック路線が確立されました。ファンキーさをさらに強化したアルバム『キック』からは、1988年に全米ナンバーワンを獲得した「ニード・ユー・トゥナイト」や「ニュー・センセイション」など、4曲ものヒット曲が生まれました。アルバム『キック』に収録されている「Mediate」のミュージックビデオは、ボブ・ディランのドキュメンタリー映画『ドント・ルック・バック』へのオマージュとなっています。

1990年にリリースされたアルバム『X』も好調なセールスを記録しましたが、ボーカルのハッチェンスは俳優業に挑戦したり、カイリー・ミノーグとの交際が話題になるなど、音楽以外の活動も目立つようになります。その後、作品のセールスは下降傾向となりましたが、1992年にリリースされたアルバム『ホエアエヴァー・ユー・アー』は全英1位を獲得。翌年のアルバム『フル・ムーン・ダーティ・ハーツ』も全英3位を記録しました。

しかし、1997年11月22日、マイケル・ハッチェンスがシドニーのホテルで急逝。バンドは存続の危機に立たされます。その後、テレンス・トレント・ダービーなど、数人のボーカリストをゲストに迎えながらライブ活動を継続。2005年には、アメリカのテレビ番組の企画で新しいボーカリストを公募し、オーディションで選ばれたJ.D.フォーチュンを迎え、再始動を果たしました。2009年にはフォーチュンが一時解雇されるという騒動もありましたが、2011年9月までリードボーカルを務めました。

2012年11月、コンサートでツアーからの引退を発表し、INXSとしての活動に幕を下ろしました。

日本での活動

INXSは、1984年から1994年にかけて日本で数多くの公演を行っています。1980年代のファンクラブ会員数は、洋楽アーティストとしては異例の規模でした。

ディスコグラフィー (一部)

INXS (1980年)
シャブー・シュバー (1982年)
スウィング (1984年)
リッスン・ライク・シーヴズ (1985年)
キック (1987年)
X (1990年)
* ホエアエヴァー・ユー・アー (1992年)

数々のヒット曲と、マイケル・ハッチェンスのカリスマ性で一時代を築いたINXS。彼らの音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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