ISINコード

ISINコードとは

ISINコード（International Securities Identification Number）は、国際標準化機構（ISO）が定めるISO 6166規格によって規定された、世界共通の12桁の証券識別コードです。これは、金融商品の取引や管理を国際的に円滑に行うために不可欠な役割を果たしています。

コードの構成

ISINコードは、以下の3つの要素で構成されています。

1. 国コード (2桁):
ISO 3166-1 alpha-2で規定されたラテン文字2文字の国コードを使用します。これにより、どの国の証券であるかを識別できます。国コードは省略可能な場合があります。
2. 基本コード (9桁):
各国当局（NNA: National Numbering Agency）が定めたNSIN（National Securities Identifying Number）が使用されます。各国で独自のルールに基づいて付与されるコードです。
3. チェックディジット (1桁):
モジュラス10ダブル・アッド・ダブル（モジュラス10 ウェイト2）というアルゴリズムで算出される誤り検出符号です。これにより、コードの入力ミスを防ぎます。国コードのアルファベットはAからZをそれぞれ10から35の数字に変換して計算されます。

各国におけるISINコードの構成

日本

国コード: JP
基本コード: 以下の要素から構成されます。
発行体コード（6桁）: 企業ごとに50音順に割り当てられます。
属性コード（1桁）: 証券の種類を示すコードです。以下のような意味を持ちます。
0: 未定義
1: 国債
2: 地方公共団体
3: 公開会社等
4: ユーザー領域
5: 外国法人
6～8: 未定義
9: 特定金融商品
固有名コード（5桁）
国債: 国債名称コード2桁 + 回号コード3桁
地方公共団体: 総務省が定めた全国地方公共団体コード(JIS X-0401,0402)から末尾のチェックデジットを除いたもの
公開会社等: 発行会社ごとに独自に割り当て(原則として五十音順)
外国法人: 所属国コード3桁(ISO 3166:Numeric Code) + 連番コード2桁
特定金融商品:
ペーパーレスCP: 商品コード2桁「0A」+ 識別コード3桁（「I」、「O」、「U」を除く英数字）
未公開会社等の私募債等: 商品コード2桁「0B」+ 証券種別コード6桁（証券種類コード3桁を含む）
非上場投資信託: 商品コード2桁「0C」+ 識別コード6桁（証券種類コード3桁を含む）
証券種類コード(3桁)
内国株式：普通株式 000、新株式 001、第二新株式 002、新株予約権証券 009、優先株式 010、後配株式 020
外国株式：000から始まる連番
債券：通番コード、発行年コード、発行月コード

日本では、1993年7月からISINコードが導入されました。

アメリカ合衆国

国コード: US
基本コード: CUSIPコードをそのまま使用します。

イギリス

国コード: GB
* 基本コード: SEDOLコードをそのまま使用します。桁数が不足する場合は、左側に0を付加して10桁にします。

まとめ

ISINコードは、国際的な証券取引を円滑に進めるための重要な基盤です。各国で異なるルールが適用される一方で、その基本的な構造はISO 6166規格によって統一されています。これにより、投資家や金融機関は、世界中の多様な証券を効率的に識別し、管理することが可能になります。

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