ISKP

ISKP（イスラム国ホラサン州）について

ISKP、正式にはイスラム国ホラサン州（Islamic State – Khorasan Province）は、アフガニスタンを中心に活動するイスラム原理主義の軍事団体であり、国際的に認知されたテロ組織です。ホラサンという名称は、かつてのホラサン地方を指し、現在のイランの一部やアフガニスタン、パキスタンの一部を含む地域を示します。彼らは過去数年にわたり、アフガニスタンの安全保障を脅かす存在として知られています。

組織の設立と背景

ISKPは2015年1月に設立されました。創設者には当時パキスタン・タリバン運動の地方司令官だったハフィズ・サイード・カーンがおり、彼はISILに忠誠を誓いました。その後、ISKPはアフガニスタン東部からパキスタンとの国境。それに伴い、彼らの勢力が拡大していきました。特に、同地域を根拠地とするタリバーンとは敵対関係にあり、2017年以降、両者の間で200回以上の交戦が記録されています。

ISKPが世界に名を知られるきっかけとなったのは、2019年8月にカーブル市内の結婚式場で発生した自爆テロ事件で、6人が命を落としました。この事件はISKPによるテロが実際に起こりうる危険性を世間に認識させました。さらに2020年11月にはカーブル大学での銃撃事件があり、多くの無辜の命が奪われました。2020年以降、米国との撤退交渉を進めたタリバーンを「アメリカと取引を行った」と非難する姿勢を見せており、内部の対立も浮き彫りになっています。

現状と指導者

現在のISKPの指導者は通称シャハブ・アル・ムハジルで、彼はかつてアフガニスタンの副大統領の特別警備員としても知られています。タリバーンによる政権崩壊後、元アフガニスタン軍や諜報機関のメンバーがISKPに合流し、彼らの戦力を強化しました。特にパンジシールでの戦闘に敗れた民族抵抗戦線に代わり、ISKPはアフガニスタン国内でタリバーンに対抗可能な唯一の組織とされています。

主なテロ行為

ISKPの活動は多くの重大なテロ事件によって象徴されています。2021年8月15日、彼らはカーブル国際空港での自爆テロを実行し、アメリカ兵士を含む180人以上の命が失われました。この事件はアフガニスタンの人々の記憶に深く刻まれ、国際社会からの強い非難を浴びました。翌日、米国はISKPに対する報復攻撃を実行しました。

さらに2021年10月には、カーブル市内のモスク近くでの爆発事件が発生し、20人以上が死亡または負傷しました。これに対し、ISKP自身が関与を認めています。

直近の事件としては、2024年にロシアのモスクワ郊外で発生したコンサートホールでの銃撃事件があります。これもISKPの犯行とされ、133人以上が死亡し、145人以上が負傷しました。このように、ISKPは国際的な場面でもそのテロ行為を行い続けています。

結論

ISKPはその活動を通じて多数の重大なテロ事件を引き起こしており、アフガニスタンや周辺地域の安全と安定を脅かす存在であります。彼らの台頭は、国際的なテロ対策の難しさを浮き彫りにし、さらなる監視と対策が求められます。

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